友人が飯をおごってくれると言った。僕が先にひとつ年をとったからだ。世知辛い、日本はどんどん貧しくなってゆくね、という話題で盛り下がり、音楽の話でちょっと盛り返した。
帰って座椅子に落ち着いて、昨日小林さんから、レコーディングスタジオのエンジニアさんがミックスしたCDRを(紆余曲折あって今は別なスタジオでミックス作業のみ行っている)もらったので聴きながら笑ったり反省したりする。その後、郵便受けに届いていたロッド・ピアッツァのサンプルCDRを聴き込む。良いアルバムだ。僕の中でこのプレイヤーはナンバー1だったことはないが、ずっと聴いている。旨いしトリッキーで器用だ。でもそれだけでない。根本的な泥臭さがあって、それが良いんだろうなあ。スタイル確立まで相当な苦労をした人だと思う。新作にはラスティ・ジンが入っていて流石の職人芸を聴かせてくれている。アメリカでライブを観た時、ちょっとだけ話もしたのだが、僕より年下と知ってびっくりした。ルーサー・タッカー直伝だというハーモニカブルースにおけるバッキングワークの渋さから、軽く十は上だろうと勝手に思い込んでいた。