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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2012年 04月 20日

JOURNAL

レッスンは、どうしても荒っぽくなりがちな演奏を指摘し続けてきて、最近になって落ち着いた良い雰囲気が出るようになってきた人。音源も良く聴き込んでいるしライブ経験も豊富なので落ち着いてやる意味や、落ち着いてやらないと出せない攻撃性みたいな事も体で理解してゆけば幾枚も皮が剥ける気がしている。同じ種類のスニーカーを何十足も履き潰しているというので、どうして、と聴くと、彼が愛してやまぬロックバンドのリーダーがずっとその靴を履いていたからだ、という答えが返ってきた。こういうある種単純な模倣が、ともすれば生きる原動力になる程大きな意味を持つ感覚。これは男だけでしょうか、そうでもないのかな?ともかくとてもよく判ります。僕もいまだにこれを着るとあのミュージシャンに近づけるような気がして元気になる、という服がある。幾つもある。よく似た服ばっかり着ているなという自覚もあって、深く考えたことはないがそれも多分、その手の理由があっての事なのだろう。

ザ・バンドのドラマー、リヴォン・ヘルムが亡くなった。ベースのリック・ダンコが亡くなった時もショックだったが、今回もとても悲しい。ブルースに深く深く根差しながら、全くオリジナルな音楽を作り上げた稀有なロックバンドの、サウンドの中核を担った人。その巧緻かつ野太いドラミングも南部の薫りをたっぷり湛えたヴォーカルも、憧憬する者は沢山いても誰も継承できない圧倒的な個性と実力があった。僕は何度か実際のステージを日本で観ているが、もう一度観たかった。一昨年くらいに来日の噂が流れていて興奮していたが実現しなかった。ザ・バンド以後の、RCOオールスターズのアルバムも大好きで文字通りすり切れるほどレコードを聴いた。ご冥福をお祈りします。

by nogioh | 2012-04-20 23:52


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