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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2012年 04月 07日

JOURNAL

イギリス在住のピアニストYukiさんと、ハーピストである旦那さんのジョンさんが数日前から来日されて、大阪に滞在しておられる。出発前にメールで連絡を貰っていて是非お会いしましょうという事になり、今日会ってきました。Yukiさんは「ブルースハープな日々」というとても面白いブログを書いておられる。僕はたまたま発見したのだったが、すぐにそのマニアックな内容と端正で魅力的な文章のファンになった。ほどなくメールのやりとり、手持ちの音源の交換など遥か離れた場所にいながらの交流が始まった。ジョンさんが、演奏のみならずハーモニカのカスタマーの仕事を始められた際には嬉しいことにテスターに選ばれ、うんざりするほど鳴らなかった僕のハーモニカを見事に蘇らせてもらったり、ブログで僕らのCDを紹介していただいたりもした。
そんな訳で、僕は今日を非常に楽しみにしていた。折角だから音を出しましょうと僕が誘いスタジオをおさえ、バンドメンバーにも楽器を持って集まって貰った。駅で落ち合った二人はブログからイメージしていた通りのスマートで聡明な印象。お土産をいただいてみんなで喜んでいる最中に、ジョンさんは古い紙箱に入ったマリンバンドを僕に手渡した。ヴィンテージ・ハープだ。へえ、すごいね、などと眺めている僕にYukiさんが「それがメインのお土産です」と言ったのでびっくりした。凄いものを貰ってしまった。恐縮です。
Yukiさんはピアノが本業で、だからピアノも聴きたかったのだが腱鞘炎気味で自粛中とのことだったので今日はハーモニカで参加してもらう事になった。お二人とも物静かでおとなしい。初対面の年上のおっさん4人といきなり音を出す、というのはそれは緊張もするだろう。実を言うとおっさんたちも結構緊張していたので、スタジオでは休みなしでひたすら演奏し続けるという異様なことになってしまった。本能的に僕らバンドが沈黙を恐れたのかもしれない。お二人はさぞ戸惑ったことだろう。僕が運び込んだHarp GearアンプとJT30のアンプリファイドと、ヴォーカルマイクで、僕とジョンさんが交互に吹き、時折Yukiさんが加わった。何曲やったか判らないが、喉がからからになり、バンド全体のリズムもよたよたで、力み過ぎによる限界を悟りやっと休憩した。ジョンさんのアドリブは音色もフレージングも、バンドアンサンブルの重要性を意識した心地よいもので、極端な主張はしないが、はっとするような閃きやオリジナルな工夫が感じられた。刺激的で飽きの来ないハーモニカだ。Yukiさんも多少固くなっておられたみたいだがなかなかどうして、音が前にスパッと出てくる感じで、ビブラートも綺麗だった。いやあ、実に刺激的で印象深い時間だった。その後近くの居酒屋に移動して乾杯。日英のハーモニカ事情や、より日常的で取るに足らない話などをして楽しく過ごす。車の僕は烏龍茶。記念写真など撮る。イギリス英語と出鱈目な英語もどきが飛び交う。
お二人、メンバーと別れ、駐車場に戻ると料金は200円だった。スタジオと居酒屋の余韻の中でほとんど何も考えずに500円玉を入れたらお釣りが全部10円で出て来た。過去にもジュースを買ってこんなことがあった。なかなかのハプニングだと思うが、よくあることなんでしょうか?あっけにとられつつも、とりあえず大量の10円玉をポケットに押し込んだ僕の後に7,8歳の女の子を連れた若い母親が精算に来た。300円。きっちり300円入れなさいよ、と僕は心で呟きながら立ち去り難い気分になりそこで見守っていた。女の子が僕の様子に気づき不思議そうな顔で僕と母親を見比べている。声に出して言おうかどうしようか迷っている間にそのお母さんは500円玉を素早く入れてしまった。「あ」思わず声が漏れた。いつまでもやまずに出て来る10円玉に母親は「何?何?」と動転気味。事情が分かった女の子はケラケラ笑っている。財布にやっとのことで20枚の10円を収めて母親は初めて僕を見た。目が合った記念に一応「僕は30枚出ました」とだけ告げておいた。
メンバーのみなさんお疲れ様でした。楽しかったですね。Yukiさんジョンさん、ありがとうございました。またちょくちょく、とはいかないでしょうがぜひお会いしたいものです。次は一緒にライブかな。

by nogioh | 2012-04-07 23:57


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