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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2015年 11月 25日

JOURNAL

傲岸な魂に触れる。眼を背けるべきではない事に眼を背け、そしてそれ故に身軽になって、力を得たような錯覚に陥る。そこには糊塗があり、欺瞞があり、背信がある。なぜそんなことをするか。権力にすり寄りたいからだ。自分を過大評価してくれる金主に媚び諂いたいからだ。世界は滅びへと疾駆し、老いは確実に忍び寄って来る。気持ちは判らないではない。でもやはりそれは無様な事だ。報いは然るべき時に、然るべき形をとってやって来るに違いない。審判の日、代わりなど幾らでもいるという現実に避けようもなく向き合わねばならないだろう。そしていつかのように目を背けることはもうできない。

これは備忘録である。忘れてはならないと思い記録する。

ここからは軽い話題。カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」がドラマ化されるそうな。綾瀬はるか主演ですって。前に舞台化もされていたと記憶している。僕は洋物の映画を観ていて、キャリー・マリガンとか、良い役者だなと思ったけど、陰鬱さ、陰惨さが前面に出すぎて作品としてはちょっと辛かった。原作はずしりと胸に来る大傑作で、原語の方も買った(自分の英語力を痛感する読書でした。四苦八苦)くらい好きだが、あくまでも哀切なのです。陰惨ではない。あの感じは文章でしか表せないものなのか、と感じている。話は逸れるが、カズオ・イシグロとも接点のある村上春樹「ノルウェーの森」の映画も僕は観た。どうして俳優に延々とナレーション的な語りをさせる必要があるのか全く判らなかった。これでは先ず映像化する意味がないと思った。わたしを離さないで、は映像はとても美しくナレーションもなかったが、映像化によって原作の魅力が大きく喪われてしまったと感じた。ドラマはどうなるのか、僕は普段テレビは点けてはいるがあまり観ない。でもこれはとりあえず一回目は観てみようと思う。

by nogioh | 2015-11-25 23:52


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