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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2006年 06月 10日

JOURNAL

夕刻、植村さんと会い、音源交換などして軽くライブの打ち合わせ。店のマスターも含めて世知辛く、植村さん曰く「やくざな」話ばっかりする。植村さんの選曲は泥っぽいブルースとはやや離れたタイトな世界。僕は意地っ張りで、どんな曲にも、要請がない限り自分の色で吹きたがるが、こちらの攻撃(?)を読みつつ、耳をそばだて多様に対応してくれる。植村さんはそういうギターの人なので楽しみにしている。
手塚治虫。僕は決して熱心な読者だったとは云えないが、「紙の砦」(大都社)という短編集はよく読み返している。第2次大戦中の空気をストレートに伝える記録として、その語り口の豊穣さは屈指なのではないか。紙の砦とはもちろんこの場合、画用紙(ケント紙)である。「砦」を持ち得た僥倖についても作者は逃げも隠れもせず淡々としたものだ。貧乏なサラリーマンを富豪の売れっ子俳優が演じる胡散臭さは感じられない。僥倖=逆ベクトルのハンデを背負ったものとして、伝えるべきものを凝視する、その表現者としての使命感が清々しい。

by nogioh | 2006-06-10 00:06


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