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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2005年 10月 14日

JOURNAL

夕方、五条堀川の東急ホテルにヘンリーさん一行を迎えに行く。駐車場から萩原氏に電話をかけて待つこと五分。年甲斐もないものすごい緊張のしかたで、この感じ、いつ以来かしらと思う。萩原氏を助手席に座らせ、自分たちは後ろに乗り込むヘンリーさんと相棒のジョシーさん。「狭い車で、どうも」と恐縮すると、「全然。イタリア製のもっと小さいのに乗ることもある」とヘンリーさん。僕はマディー・ウォーターズの、自分で編集した初期ベストみたいなテープをかけていた。萩原氏が「マディーですよ。こんな音楽、嫌いでしょ?」と冗談を言うと、「もちろん、昔からずっと嫌いだ」と笑うヘンリーさん。後ろで、テープに合わせてヘンリーさんが歌い出すと、みるみる緊張はとけていった。伏見の、バンドでお世話になっているイタリアンレストラン「TEN HOLES KITCHEN」でメンバーによるヘンリーさんとジョシーさんの歓迎会。二人とも酒も煙草もやらないので、喫煙する僕らは気を遣う。離れた場所で吸おうと席を立ちかけたベーシストのZeeさんを制して「気にするな、もっと近くに来なよ」と笑うヘンリーさん。萩原氏を介して、ヘンリーさんが今回のライブでやりたい曲のリストを僕らは受け取っており、それをもとにリハもしてきた。その曲名を並べたメモ書きを僕はヘンリーさんに手渡し、「明日のスタジオ入りまでに、曲順を考えておいてください」とお願いする。「どれくらい演奏時間はあるの?」「二時間。そこに書いた曲は全部出来ますよ」仕事らしき会話はその程度で終わった。後は我々のいいかげんな英語と、ヘンリーさんのアイルランド訛りの英語、ジョシーさんのフランス訛りの英語が入り混じった、ところどころちぐはぐだが極めて和やかな談笑のうちに時は過ぎた。酒が入って上機嫌なZeeさんが、ほとんど日本語でまくし立てると、ヘンリーさんが爆笑しながら英語で早口に返す。その奇妙な相互理解の図は本当に可笑しかった。

by nogioh | 2005-10-14 00:00


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