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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2006年 01月 27日

JOURNAL

他の音楽を一切受け付けなくなるほどのビートルズの魔法がやっと解けると、トム・ウェイツとザ・バンドとニック・ロウを四六時中聴く日々が始まり、その後ドクター・フィールグッドとスモール・フェイセスの嵐を経て、リッキー・リー・ジョーンズ、ジョン・ハイアット、ヴァン・モリスンにヴェルベット・アンダーグランド、再びウッドストックに戻ってボビー・チャールズ、ジェシ・ウィンチェスター。ザ・バンドと同じくらいの時期からブルースもソウルも好きになって聴いていたが、良いことも悪いことも合わせて記憶にぴったり寄り添ってあるのは白人のレコードばかりだ。例外は、ボビー・ウーマックのデビュー盤くらいではないか。高井有一「立原正秋」を読んだ影響で、こんな回想を記した。ロン・セクスミス以降、そうしたレコードには出会わない。もう出会わない気がする。白人のハーモニカ奏者は聴いていて楽しいこともあるが、参考書を読むような息苦しさは拭えない。今日はレッスン二人。夜、出かけた先でアルバイトをする教職課程の大学生と話していて、人生をやりなおせるなら、若いうちに外国に渡る、さもなくばミュージシャンはやらない、と言った。意外そうな顔で、それでは何を生業とするのかと問われ、学校の先生もいいし、もしくは格闘家と答えた。やりなおしなどという虚を、わずかながらも確実に望むのは退行の印だろう。うなだれて今日も暮れた。

by nogioh | 2006-01-27 02:24


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