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2005年 10月 30日

JOURNAL

レッスン、今日は二人。上級者の人には、時として根本的な吹き方の改良を求めねばならず、そういう時は辛い。長年の習性などなまなかな事で抜けるものではないとよく判っているからだ。初心者に近い人には基本的な音楽の構造みたいなものを説明するのが難しい。和音と旋律の関係をダイレクトに感じてもらうため、僕はギターを弾いて、松田聖子を歌ったりする。
イヴァン・クリ-マ「僕の陽気な朝」(国書刊行会)。チェコの作家というとミラン・クンデラがすぐ浮かぶがこの人も相当な大物らしい。政治的にとても屈折した歴史をもつ国なので、こういうひねくれた味わいの作品が生まれるのか。ユーモラスであることは、すなわちほろ苦いことであるはず。自己の徹底した客体化から生まれるのがユーモア感覚だとすると、そこには自ずと過程の苦闘がにじみ出て、翳りを帯びるのだ。文句なしにユーモラスで、変な読み物には脳を開放させる力がある。
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by nogioh | 2005-10-30 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 29日

JOURNAL

招待券をもらったので、喜び勇んで、「コープスブライド」を観に行く。ティム・バートンづいている。撮り方も手の込んだ古い手法で、話も青ひげみたいなのが出て来たりする、ゴチックミュージカル風。大人向けのファンタジーで、「チョコレート工場」より僕は好み。
ボブ・コリトア編集のコンピレーションアルバム「blues on my radio」を聴く。84年から、2003年までの新しい録音なのにこの鄙びた生々しさはなんだ。まだ元気だったローエル・フルソンの声がいい。
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by nogioh | 2005-10-29 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 28日

JOURNAL

Rick Holmstrom「HYDROULIC GROOVE」買ったのは二年前の夏。近年ドシンと来た新譜の稀な一例である。現在、まさに作られつつある新しいブルースの勢いに満ちていて、こんな息の吹きこみ方もあるのだ、と感嘆した。ジョニ-・ダイア-やウィリアム・クラーク、ロッド・ピアッツァのバンドで、癖のあるソリッドなギターを弾いていた男前の奴、というイメージに新たに層が加わった。西海岸への貧乏旅行から戻ってすぐに買ったので、このCDと、ボロボロの古い文庫本で土居良一「カリフォルニア」(講談社)を読み返せばひと夏、旅の余韻の中で過ごせた。今からまた聴く。
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by nogioh | 2005-10-28 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 27日

JOURNAL

ルイ・アルチュセール「マルクスのために」(平凡社)。「言葉」についての悩みが尽きない、つまり心身ともに危機的状況にあった十年ほど前、貪るようにして哲学と宗教についての、いわゆる学術書を読んでいた時期がある。その中に、バブル期とシンクロして日本で大流行したフランスの比較的新しい哲学者たちの書物もあった。流行った当初はちらりと横目で見て通りすぎた、「軽快に絶望する」指南書みたいな本に、すっかり流行が過ぎてからはまった。勿論難しかったが、丹念に読んで行くと八十年代に、まだ小僧だった自分たちがしたり顔で語り合った「世相分析」や「予言」とそっくりな事が時々記されていて、何となく楽しくなり、気持ちが軽くなったものだ。久々に手に取ったアルチュセール。彼は、今書いた、ポストモダンの思想家たちのお手本(?)になった一人だが、今読んでもやっぱり難しかった。マルクスがらみでもう一冊、桐山襲「未葬の時」(講談社文芸文庫)。
左翼の作家といっても、小林多喜二や野間宏とは全然違って、明らかに大江健三郎以降の人とわかるポップさを持っていて、このベスト盤的な一冊など、全体が切ないトーンの緻密なファンタジーとして読める。もう四、五年も前の冬、近場で雪が見たくて一人で兵庫県まで電車で出かけた時、この本を持って行ったのを思い出す。七釜温泉郷の宿に一泊した。箸袋に印刷されていた詩(詞?)。『七釜良いとこ一度はおいで/人情厚けりゃ湯も熱い』確かにちょっと悲鳴が洩れるほど熱い風呂だった。
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by nogioh | 2005-10-27 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 26日

JOURNAL

去年観た「Big Fish」が「21g」と並んで、僕にとっては大収穫の傑作だったので、同じティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」を観に行く。児童文学の超がつく有名小説が原作で、とても楽しい映画だった。子供に対する露骨なブラックユーモアの毒を、時に相乗効果的に膨らませ、時に緩和するダニ-・エルフマンの音楽が素晴らしい。
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by nogioh | 2005-10-26 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 25日

JOURNAL

去年から僕は暇があれば映画館に行くようになった。映画についてそもそも全く詳しくなく、したがって評価の仕方もわからないのだが、音楽に関する映画は見所が一つでもあれば損した気はしない。「Lightnin' In A Bottle」は、勿論BBも格好いいが、ボニ-・レイットのエルモアばりのスライドギターと、その傍らでサニーボーイ、もしくはサミー・マイアーズよろしく渋いバッキングハーモニカをきめるキム・ウィルソンが良かった。ほんの短いカットだが、レイジー・レスターのインタビューも歓声ものだ。「Festival Expredss」では、よれたTシャツ姿でラリって歌うリック・ダンコとジャニスの姿、「Ray」は記録映画ではないが、白熱するライブシーンでレイレッツが本物にしか見えなくなる瞬間。大きなスクリーンで観て良かったと思う。
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by nogioh | 2005-10-25 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 23日

JOURNAL

五条烏丸の「パーカーハウスロール」でライブ。東西ハープミーティングと銘打たれたイベントで、東京からはるばるお越しの、八木のぶお、KOTEZ、照本史の三氏によるユニット、HARP MADNESSと初顔合わせ。企画にも添うはず、とWettyとも話をし、なるべくごりごりしたブルースで押す。KOTEZさんと八木さんは、絶妙な絡み合いを見せつつも、音色も奏法もある意味対照的で、それもこのユニットの味わいの大きな特色だろう。照本さんのピアノは水みたいで、僕は一人で八十年代のヴァン・モリソンのレコードを思い浮かべながら聞き入った。色んな事を思い出す。実に美しい演奏だった。ショーがはねて帰り支度の時、いいピアノを弾く人で、この日は店員として働いていた、Yちゃんが「気付いてくれた?」と、天井を指差した。ライブ前からその時まで、ずっとBGMとして流れていたザ・バンドのCDの事を言っているのだ。僕のザ・バンドへの傾倒が最も著しかった頃、彼女の夫婦とはよく遊んでいた。僕は解散コンサートを収めた映画「ラストワルツ」を暗記して再現するほどだった。数少ない古い友人の一人である。恐縮。どうもありがとう。
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by nogioh | 2005-10-23 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 22日

JOURNAL

Wetty Joが大遅刻しながらも我が家に来る。彼は「朝日のあたる家」を大変気に入ったようだ。様々なポジションで試してハーモニーを考える。12ポジションが独特な味わいで気に入ったが、僕は本番になると間違えそうで不安。時間があったので、ロッド・ピアッツァの最新盤の付録(?)のDVDを一緒に観る。大好きなジョニ-・ダイア-が動いている。何度観ても笑み崩れてしまう。最後の方には、何か物を食べながら上機嫌に喋るリンウッド・スリムまで登場し(これは僕も今日観るまで気付かなかった)実に愉快。レアな映像ですよこれは。Wettyが帰った後、レッスン。バンド経験も長い、古い生徒氏相手に、初期ジュニア・ウェルズを懸命にコピーする。
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by nogioh | 2005-10-22 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 21日

JOURNAL

スタジオに入る。二日後のライブに向けて、あと一つ、どうにも選曲が定まらなかったが、ギターの三島さんが、ぽろりと弾いたヘンリーさんヴァージョンの「朝日のあたる家」のリフを聴いてこれだと飛びついた。Wettyとのダブルハーモニカで、なんとか、アイルランド音楽の雰囲気が出せればと願う。
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by nogioh | 2005-10-21 00:00 | Comments(0)
2005年 10月 20日

JOURNAL

最近あまり本もCDも買わず過ごしているので古いものの再読、再聴ばかりだ。スティーブン・ミルハウザーの「イン・ザ・ペニー・アーケード」(白水uブックス)。表題作の、もろにブラッドベリ風の、取り分け「たんぽぽのお酒」的な懐かしい味わいは、僕がやっている古いスタイルのブルースには決定的に欠落していると、長いこと思ってきた。だがそうでもないと最近感じる。「Windycity Blues」や「On The Road Again」といった最初期シカゴブルースのオムニバスをじっくり(僕は酒が弱いので家ではほぼ飲まないが、イケル人はきっと飲みながら聴くのだろう)聴くと、ノスタルジックというのとは違うが、似て非なる懐かしさはやはり感じる。良きにつけ悪しきにつけ過ぎ去った時代の、アメリカの風に吹かれる気分?「たんぽぽのお酒」というと、とりもなおさず、今もライブの余韻の冷めないヘンリーさんとも縁の深いロニー・レ-ンの名盤「Anymore for Anymore」のたそがれのジャケットが頭に浮かぶ。日本盤のライナーで「たんぽぽのお酒」に触れている箇所があったからだ。誰が書いていたか忘れてしまったがあれはいいライナーだった。
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by nogioh | 2005-10-20 00:00 | Comments(0)