大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2006年 01月 30日

JOURNAL

明日で一月が終わるのである。冬の、一番冬らしい、憩いの時間(そのわりには鬱屈して過ごしているのだが)が去ろうとするのだ。なんと悲しいことだろう。何もかも弛んで、視界の悪い、寝小便みたいな魔の季節が来るのである。虫も一杯生まれるのである。なんとなく、主に明治生まれの、私小説の作家達の文章を思い出しながら、書いている。心荒む綱渡りみたいな日々がかつてあり、尾崎一雄、藤枝静男、上林暁等の本は薬だった。春だの夏だの、忌まわしいものどもの到来を思うと、行き暮れてそれだけで疲れてしまう。優れた古い私小説の、揺らめき立つような、時に超現実の境をも垣間見せてしまう怖さ、にもう一度耽溺したくなる。
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by nogioh | 2006-01-30 23:12 | Comments(0)
2006年 01月 29日

JOURNAL

連日のように踵の部分が破れるので、靴下と、ついでにTシャツを買い物する。頻繁には買えないが、本もレコードも服も増えると少しは浮かれる。夕方Wetty Joのライブに出かけた。彼の技術があれほどまでに高いのは、才能だけに因るものではない。 彼にとってブルースを演奏することは、かけがえのない行為なのだ。決して代償のきかぬ、切羽詰った砦としての表現。僕はそのひりひりした熱を感じ取りに行く。ハーモニカの方法論も、似ているが全く同じではないし、生き方もおそらく随分違うが、端正な、成熟した演奏の底に、反社会的にならざるを得ない鬱屈した衝動の蠢きを感じ取ると、少なくとも僕は励まされる。
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by nogioh | 2006-01-29 01:47 | Comments(0)
2006年 01月 28日

JOURNAL

三人レッスン。気心知れて色々話せる人達で教える時間も楽しいが、一杯ハーモニカを吹くからかなり疲れる。気ばかり急いて、手付かずなままの様々な事柄。白髪ばかりが増える。風呂は好きだが家で風呂に入ると基本的にはろくなことを考えない。眠る前も同様。温まるのが良くないようだ。夏も春も大嫌いなのはそのせいか、と今更ながらに思う。三人目の教え子氏が持参してくれた2003年リリースのSugar Ray Norciaのアルバム、一曲目をチラッと聴いて即座に注文した。本日の収穫。小学校の時に読んだ光瀬龍「あばよ!明日の由紀」という短編集をぱらぱらと読み返す。最も衝撃を受け、感化されたSF作家だが、このジュブナイル本の最後を飾る「ゆく春のうた」は、珍しくSFではない。子供の僕は感動したが、瑞々しい高校生の恋愛物語について、人に話すのは恥ずかしかった。同じくこれを読んだ友人と、おそらくお互いに、かなり勇気を出して「面白かったな」と言い合った思い出が蘇って、笑いそうになりながら四半世紀以上の年月の経ちように目を剥いた。なんと騒々しく、むごたらしく、そして軽々しい人の歴史!
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by nogioh | 2006-01-28 03:16 | Comments(1)
2006年 01月 27日

JOURNAL

他の音楽を一切受け付けなくなるほどのビートルズの魔法がやっと解けると、トム・ウェイツとザ・バンドとニック・ロウを四六時中聴く日々が始まり、その後ドクター・フィールグッドとスモール・フェイセスの嵐を経て、リッキー・リー・ジョーンズ、ジョン・ハイアット、ヴァン・モリスンにヴェルベット・アンダーグランド、再びウッドストックに戻ってボビー・チャールズ、ジェシ・ウィンチェスター。ザ・バンドと同じくらいの時期からブルースもソウルも好きになって聴いていたが、良いことも悪いことも合わせて記憶にぴったり寄り添ってあるのは白人のレコードばかりだ。例外は、ボビー・ウーマックのデビュー盤くらいではないか。高井有一「立原正秋」を読んだ影響で、こんな回想を記した。ロン・セクスミス以降、そうしたレコードには出会わない。もう出会わない気がする。白人のハーモニカ奏者は聴いていて楽しいこともあるが、参考書を読むような息苦しさは拭えない。今日はレッスン二人。夜、出かけた先でアルバイトをする教職課程の大学生と話していて、人生をやりなおせるなら、若いうちに外国に渡る、さもなくばミュージシャンはやらない、と言った。意外そうな顔で、それでは何を生業とするのかと問われ、学校の先生もいいし、もしくは格闘家と答えた。やりなおしなどという虚を、わずかながらも確実に望むのは退行の印だろう。うなだれて今日も暮れた。
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by nogioh | 2006-01-27 02:24 | Comments(0)
2006年 01月 25日

JOURNAL

正月に訪問した友人の書棚に、小川国夫が並んでいたので、影響されて久々にぱらぱらめくってみる。「黙っているお袋」(小沢書店)。静岡の大井川流域を描いたものも、旧約に材を取ったものも、舞台となる土地の骨格の浮かび上がらせ方に惹かれる。夢であろうと現であろうと、主人公の目に映るものは分け隔てせずなまものとして扱われるので、その読書体験は常に麻薬めいたトリップの感覚に充たされる。
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by nogioh | 2006-01-25 02:22 | Comments(0)
2006年 01月 23日

JOURNAL

たかが新興企業の社長の逮捕で、マスコミのこの騒ぎようは何なのか。その嬉々とした様子には吐き気を催さずにはいられぬ。心身ともにしんどかった多忙さに一区切りついて気分が良かったのに台無しである。オウムの時以来の手馴れた方法論で、「みんなの敵」像をおどろおどろしく刷りこもうとする卑しさのシステム。捕まった社長同様、マスコミが庶民の味方であった試しなど過去に一度とてないのである。罪は罪として贖われるべきだが、装われる正義も裁かれろ、と思う。それはすなわち戦争の論理だからだ。
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by nogioh | 2006-01-23 02:30 | Comments(1)
2006年 01月 22日

JOURNAL

Van Morrison 「Poetic Champions Compose」。リリースから十九年、いまだに聴いて何かしら胸が騒ぐこの豊穣さは何ならむ。この次の「Avalon Sunset」も名盤で、冒頭のクリフ・リチャードとのデュエットから泣かせるが、澄明過ぎて、却って感傷的になってしまう。内省的な創作欲求の絶頂の混沌か、全体に薄曇った印象がある「Poetic...」の方が僕の精神の土壌にはよく合う気がしている。本人演奏の、別段テクニカルではないアルトサックスによる三曲のインストの、何と雄弁なこと!古代建築の白い石柱に木漏れ日が差すようなVanの旋律に、水そのものの清冽さで絡むニ-ル・ドリンクウォーターのピアノ。これが歌なのだと思う。
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by nogioh | 2006-01-22 02:05 | Comments(0)
2006年 01月 21日

JOURNAL

年末から年明けにかけて、懐かしい友人との再会が多く、N君もその一人。小学校からの付き合いで、基本的に、頑固で内にこもる性質の子供だった僕が、どういう訳かN君と組むと大胆になれたものだった。年末に不意に連絡が来て、初めてライブにも来てくれ、正月にも一度会って長い時間喋った。もう一人、ずっと連絡がつかず心配していた友人とも、年明けにようやく会えた。部屋に通されて、本棚を見て安堵した。物を書く人間らしい書物がぎっしりで、荒まず逸れず年を重ねている様子が判ったからだ。こうした交流の復活の片側で、怒らせてしまった友人もいるようで、悩みの種は尽きない。書物。 書物の世界に逃げ込みたいと時々思う。ひたすらに字を読み、辞書を引き、書き込みもして終日閉じこもり暮らす。独楽鼠みたいな現状ではとてもかなわぬことだが、それは何と甘美で切ない誘惑だろう。
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by nogioh | 2006-01-21 02:26 | Comments(0)
2006年 01月 18日

JOURNAL

年末、短い上京をして、神保町、歌舞伎町、池袋、水道橋、有楽町、高円寺をふらつき、あれこれ考え事をしながら過ごした。東京はやはり僕には非常に楽ちんな場所。他者の群れに身を置きつつ他者と融和する気苦労がないからだろう。短すぎる滞在だったが、一年分の疲れの半分くらいはとりあえずなくなった。Hさん、例のごとく今回もお世話になりました。京都に来られた際にはいつでも歓待いたします。久し振りに再会した幼馴染のI君は、有能なエンジニアにして、思弁的会話を楽しめる人。言語論など喋り散らして過ごした。帰って荷物をおいてすぐチャーリー藤井さんの忘年会へ。ニ次会には一瞬だけ参加して、ギター弾いて恥じをかいて立ち去った。生まれて初めての、小林久人氏によるブルースフォアグラは美味だった。
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by nogioh | 2006-01-18 02:04 | Comments(0)
2006年 01月 15日

JOURNAL

昨年の話の続きである。クリスマスの日の記憶。伏見のざぶざぶで、ギタリスト植村純次氏企画の「ブルースワークショップ」と銘打たれたライブの第2弾に参加した。なんというか、個人的には、2005年最高といってもいい爽快感のある演奏になった。植村さんはベテランなのに実験心の旺盛な人なので、僕も自作もふくめ普段やらない曲ばかりチョイスした。それが手練れのメンバーによって実にうまい具合に消化された感じだった。
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by nogioh | 2006-01-15 02:38 | Comments(2)