大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2015年 11月 29日

JOURNAL

西院ウーララで、小林万里子さんのサポート。ギター鷲尾さんと小林さんとの鉄壁のコンビネーションに、僕と大谷さんがだめ押し的な味付けをするシリーズで、気づけばもう結構な回数をやらせてもらっている。今年はこのメンバーで東京にも行けた。お二人が僕らの仕事を気に入って下さっているというのは光栄なことです。タイバンは、大西貴之ブルースバンドとUemura Bros Blues Band。それぞれのバンドのハーピストは僕の生徒さんだ。大西くんは最近めっきりライブが減っていたし、植村さんは10年以上ライブのブランクがある。特に植村さんは弟がバリバリのブルースギタリストとして活躍しているのだから(今日のTボーンの曲のソロの格好良かったこと!)何としても兄弟で一緒に組んでやって欲しかった。いやあ実現して嬉しかったです。自分たちの出番以外は客席で観覧。彼らの緊張が伝播したのだろう、何となくそわそわしながら座っていた。結果的にはどちらのバンドの演奏も、見せ場がきちんとあって楽しかった。大西君の音はちゃんとベテランの香りが出ていたし、植村さんも、「深みのある音」と小林さんが言っておられたが、味わいのある演奏だったと思う。
唯一無二の小林ワールドに対峙するには、ブルース・ミュージシャンとして職人的に臨むのが良いのではと考えて、実際そう努めている。表情はクールに演奏はホットに。しかしそれがなかなかそうも行かず、意表を突く歌詞や歌い方のちょっとした工夫に、ついくすっと、時には声を上げて笑ってしまう。それも含めいつも楽しい。演奏しながら、ブルースは懐が深い音楽だからどんなやり方で演奏しても構わないのだが、沢山の音を聴き込み、吸収する過程は(吸収出来たという実感は何にも代えがたい喜びだが、滅多に味わえない)決して省いてはいけないな、と改めて思っていた。今夜の大西君と植村さんもブランクを感じさせない演奏だったが、それは彼らがとても音楽に詳しい人達であることと決して無関係ではないはずだ。「これ聴きました?」「こんなん知ってはる?」と彼らは今でも頻繁に僕に教えてくれる。
ライブの後は、ブルースから離れてジャズやロックに浸りたくなる時もあるが、基本的にはやはりブルースを聴く。それなりに充実した演奏が出来たなと思った日は特に、僕は影響を受けて来た多くの巨人たちの演奏を改めてじっくり聴きたくなる。今日も助けてもらいました、という気分になるのです。

植村バンドのベース陽くんとドラムよーちゃんのリズムはとても素晴らしかった。ブルースならではのしなやかさがあった。よーちゃんとはもう四半世紀くらいの付き合いだ。二人ともうんと若かった頃に起こった色々なことを懐かしく思い出しながら聴いていた。

出演者の皆様、お疲れ様でした。ウーララ、お客様、どうもありがとうございました。
※写真は見に来て下さったギタリスト栗田くんのものをお借りしました。ありがとうございました。「So Much In Love」のコーラスをしている場面ですね。
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by nogioh | 2015-11-29 23:46 | Comments(4)
2015年 11月 28日

JOURNAL

昼間車で大阪(の端の方)に行き、夕方からは2人続けてレッスンをした。楽しい仕事です。先ずはベテラン。セッションでやって受けた、というウォルターのインスト(サードポジション)を聞かせてもらった。これはウケるだろうとギター伴奏しながら思った。全体に太い芯が通っておりました。サードポジションはベンドが多く、フレーズの中で音を曲げた時の音色の魅力を活かしやすい。生よりアンプリファイドに向いたポジションだと思います。バンドを作って欲しい人です。そのあとは入れ違いに遠方からの人。入れ替わる際に挨拶を交わしておられた。ちょくちょくライブ会場などで会っておられる間柄なのだ。遠方からの人は若い人で、京都に住む弟を連れ立っての来訪。これまでの過程で一度大きく音が変わった経緯があって、どこに重きを置いて練習していけば良いかが見えやすくなった。なりたいイメージは当然人それぞれで、僕は何一つ無理強いはしない。セッション感覚で、時々文句を言ったりリクエストしてみたりする。弟さんがギターを弾いてくれたので、今日は特にセッション感覚が強まりました。
ウォルターを学ぼうとすればウォルターだけを聴いていたのでは足りない。学ぼう、は楽しもう、に置き換えても良い。出発はみんな(特異な例外もあるが基本は全員)リスナーですから。リスナーとしての喜びを深めるために色々聴き漁るのは容易い。それは本能的でナチュラルなことだ。そういう人をマニアとは言わない。どうしてもマニアと呼びたいなら、マニアでないミュージシャンなどありえない。ブルースの特殊性と言うか、誰でもやれてしまうようなとっつきやすさはダブルバインドである。セッションならこちらが金を払うから何でも良いが、金を取れるブルースは誰にでも出来るものでは決してない。まず色々な音源を聴く喜びがあって、その蓄えを使ってとにかく練習、そしてある種の居直り(本当に凄い表現者はフォロアーを持たない云々)を経て自己流、という言葉に辿り着くのです。お金を払って聴きに来てくれるお客さんの中には、殆どブルースを知らない方もおられる。そういう人には、まだ自分の知らなかった素晴らしい音楽があったのだと驚き、その喜びを味わってもらいたい。僕はずっとそう思ってやっている。そういう目標、筋道をミュージシャンが見失えばブルースは滅びてしまうという恐怖がある。この世で一番美しいと思っている音楽が自動化し、衰え、パワーを喪失してゆくのは辛い。多くの人が知っているMojo workingやSweet Home ChicagoやAin’t Nobody’s Businessで一緒に盛り上がるのも勿論良い。しかし、これらの曲が特に優れているから人口に膾炙したわけでは当然ながら、ない。ブルースへの入り口として相応しい名曲はもっと他に沢山、それこそ唸るほどある。それをどうにかして多くの方に知っていただきたい。まあ僕になど大したことはやれないですが・・・。いないよりまし、程度でも良いのだ。今日レッスンに来た二人は、探究心旺盛で、沢山ブルースを聴いている。だから僕も刺激されるし、共に向上できる。上に書いたようなことも、今更何を、と言う事ばかりだが、今日のレッスンでしみじみ追認したのでした。
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by nogioh | 2015-11-28 23:23 | Comments(0)
2015年 11月 25日

JOURNAL

傲岸な魂に触れる。眼を背けるべきではない事に眼を背け、そしてそれ故に身軽になって、力を得たような錯覚に陥る。そこには糊塗があり、欺瞞があり、背信がある。なぜそんなことをするか。権力にすり寄りたいからだ。自分を過大評価してくれる金主に媚び諂いたいからだ。世界は滅びへと疾駆し、老いは確実に忍び寄って来る。気持ちは判らないではない。でもやはりそれは無様な事だ。報いは然るべき時に、然るべき形をとってやって来るに違いない。審判の日、代わりなど幾らでもいるという現実に避けようもなく向き合わねばならないだろう。そしていつかのように目を背けることはもうできない。

これは備忘録である。忘れてはならないと思い記録する。

ここからは軽い話題。カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」がドラマ化されるそうな。綾瀬はるか主演ですって。前に舞台化もされていたと記憶している。僕は洋物の映画を観ていて、キャリー・マリガンとか、良い役者だなと思ったけど、陰鬱さ、陰惨さが前面に出すぎて作品としてはちょっと辛かった。原作はずしりと胸に来る大傑作で、原語の方も買った(自分の英語力を痛感する読書でした。四苦八苦)くらい好きだが、あくまでも哀切なのです。陰惨ではない。あの感じは文章でしか表せないものなのか、と感じている。話は逸れるが、カズオ・イシグロとも接点のある村上春樹「ノルウェーの森」の映画も僕は観た。どうして俳優に延々とナレーション的な語りをさせる必要があるのか全く判らなかった。これでは先ず映像化する意味がないと思った。わたしを離さないで、は映像はとても美しくナレーションもなかったが、映像化によって原作の魅力が大きく喪われてしまったと感じた。ドラマはどうなるのか、僕は普段テレビは点けてはいるがあまり観ない。でもこれはとりあえず一回目は観てみようと思う。
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by nogioh | 2015-11-25 23:52 | Comments(0)
2015年 11月 23日

JOURNAL

昨日はバンドで名古屋に行った。何年振りかのスロー・ブルース。ちょっとだけ大きめの車とETCカードを借りたが果たして荷物が全部乗るのかどうか、ぎりぎりまで判らず、2台に分乗する可能性も残しながら集合した。何せウッドベースは190センチある。すったもんだの挙句、荷物は何とか乗せる事が出来て、ちょっと狭かったが1台で出発できた。交代で運転しながら、向かう。カーステも壊れているので、橋本君のiポッドの音楽を、本人持参のスピーカーで聴きながら快調にドライブ。16時半くらいには店に着いた。2月にジョン・プライマーを観に来てくれて以来のミッキーとの再会を喜び合う。彼は今、この店のキャプテンです。そしてリハ。音が相変わらず良い感じでやりやすい。結構な距離を歩いて地元人気店らしい混んだラーメン屋で食事をし、戻ると競演のマドモアゼル山本&GRBの面子も揃っていた。僕は初対面だったが、橋本君と明里さんは面識があり(橋本君は山本氏の家に泊まったこともあるらしい)、旧交を温めていた。実に感じの良い人達だった。お客さんも一杯入った。有難いです。昔一緒に働いていた(よく喧嘩していた)女子が小さな娘さんを連れて観に来てくれたり、他にも見知った顔がちらほら。先攻はマド山本バンド。ブルースへの汲めど尽きぬ愛情と、ショーマンシップ溢れる格好良い演奏で、会場をぐいぐい盛り上げていた。僕らも奮闘しました。セットリストはシカゴオンパレード。お客さんの反応も素晴らしくて非常に楽しかった。終盤、ミッキーにも参加してもらった。ぐっと来るガッコガッコを弾いてくれた。2度もアンコールを貰いクラクラしたが元気にやりきった。お客さんと談笑し、これで風呂に入ってすぐに寝られたら最高なのだが、色んな事情があり、またせっせと荷物を積み込んで帰路に着いた。コンビニに寄ったり、ガソリンを入れたりで、家に帰り着いたら朝の4時近くであった。出演のみなさん、お疲れ様でした。スロブ、ミッキー、海付くん、そしてお客様、ありがとうございました。写真はお客様のKさんからいただきました。感謝感激でございます。
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by nogioh | 2015-11-23 23:41 | Comments(2)
2015年 11月 19日

JOURNAL

高野のジャズカフェむ~らでライブ。MASAさん、松本さん、松田ゆうき、そして僕というこの名前のないユニットで、もう結構長くやっているが、どういう訳かむ~らでしかやらない。メンバーそれぞれとは別なライブでちょこちょこ一緒にやる機会があるが4人はなぜかここでしか揃わないのだ。やっていて非常に楽な顔ぶれで、充実した演奏も出来るので、いつもライブを楽しみにしているが、まあ局地的な限定バンドというのも悪くないと思っている。体調が悪くしんどそうなマサさんに拾ってもらって店に向かう。いつになく無口な車中だった。それもそれで悪くないが、ライブが心配だった。リハもマサさんは元気がないままで、その後本番まで車で仮眠。まっちゃんは早い夕飯を済ませて来ていたので、僕は松本さんと二人でうどんを食べに行った。松本先輩と二人で色々話す機会もあまりないので、これも有意義だった。いざ本番が始まるとマサさんはよみがえり、歌声に影響はなかった。流石です。ブルース中心に楽しく演奏。打ち上げは、お客様持参の手料理を振舞われた。とても美味しかった。む~らの素晴らしいオーディオ装置で聴くブルースは格別で、今日のBGMはエディ・ビンソンだった。自身のバンドではシカゴ一辺倒な昨今。久しぶりにジャンプもやりたいなと思いながら聴いていた。明里さんはシカゴスタイルの名手ではあるが、何でも聴く人だし、何でも弾く人なのでまたボチボチ選曲の幅を広げて生きたい。下に貼り付けたエディのアルバムは、Tボーンやジェイ・マクシャン参加の名盤。ジェイ・マクシャン格好良いなあ。
メンバーの皆さん、お疲れ様でした。む~ら、お客様、ありがとうございました。Hちゃん様、ご馳走様でした。
マサさんが天竜源一郎引退興行のブルーレイを貸してくださったので帰ってすぐに見た。「まずは最後の3試合を観て、それからじっくり最初から観たら良いと思うで」というマサさんのアドバイスに従って観戦。天龍は勿論素晴らしい。でも、若いのにここまでやれるなんて、やぱりオカダも凄いなと思った。天龍の良い所を存分に引き出している。

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by nogioh | 2015-11-19 23:32 | Comments(0)
2015年 11月 10日

JOURNAL

ちょっとライブ・スケジュールに間が出来ているが、レッスンしたり、ライナーを書いたりはしている。11月終盤には小林万里子さんの仕事があり、店から「OA的なバンドをあと二つ呼んで、ついでにライブ全体の仕切りを任せます」と言われ、良い機会だからと教え子さんを二人誘った。片方は自分のバンドがあり、もう一人は兄弟にベテランギタリストがいるのであっという間に、熟練の上手い人ばっかりのバンドが出来た。一生懸命に練習されている。

その昔、酒の席で文学談義になり川上弘美って良いよね、的なことを言ったらそこにいた女性に「ええっ」とのけぞられた話は前に書いた。確かに好き嫌いはあると思うし、僕の場合彼女の作物を読んでも元気にはなかなかならない。それでも実に上手い作家だと思う気持ちは変わらない。なぜこんなことを書いているかと言うと、この夏、東京に行った時、終電間際の東荻窪の駅で、ある男女二人連れを見たからである。40前後に見える女性が、後ろを振り返り「センセイ、電車に乗り遅れちゃいますよ」と言っていて、それに対し、後方からゆったりとした足取りで歩いて来る初老の男性は鷹揚に笑って頷いていた。二人とも随分酒が入っているようで、顔が紅潮していた。彼らがどういう間柄なのかは勿論判らない。でも僕は、ああ、リアル「センセイの鞄」だなあ、と心で独り言を言いながらその傍を通り過ぎた。確かに「先生」ではなく「センセイ」と聞こえたし、有名俳優に演じさせて映画化するよりずっと重たいリアリティがあると感じた。・・・まあ、それだけの話です。

先日、若い人とパブロックの話をしてから、ルー・ルイスが懐かしい。パブロックというのは俗称だが、要するにイギリスで、パブなどで演奏していたバンド達、ということだ。ルー・ルイス、Dr.フィールグッド、ビーズ・メイク・ハニー、チリウィリ&レッドホット・ペッパーズ、ルーモア・・・。多くのバンドが黒人音楽をルーツとして、自分たちなりの黒っぽい音を追求して奮闘していた。僕もそういう風に黒人音楽に向き合って音楽をやりたい、などと思った。パブロックには随分影響されたものだ。ルー・ルイス・リフォーマーの「Save The Wail」が聴きたくなったが、もうCDが簡単には見つからない。長い間聴いていないのできっと奥のほうにしまいこんでしまっているのだ。この人の「Mr.Bartender」を僕はスタジオで吹いたことがある。ライブでも一度くらいやっただろうか。キーはA、ハープはD。ヤマハのPA用のマイクと、マリンバンド。アンプリファイドしたハーモニカの音を自分で出したい、ただそのためだけにスタジオに入っていた。マイクをアンプに突っ込んでハウリングの具合を確かめて、何で、レコードみたいに大きな音が出せないのか、といつも悩んでいた。悩みながらも胸は喜びに昂ぶっていた。その時の年齢分以上をさらに生きた今、何と視野の狭い日々であったかと思う。しかしやはり濃密で得難い時間を生きていたとも実感する。
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by nogioh | 2015-11-10 23:29 | Comments(0)
2015年 11月 02日

JOURNAL

どえらい風邪をひいた。熱はさほどでもないので起きてあれこれ用事をこなしているが、しんどい。初期の風邪ならジンジャーエールで治ったりするが(この夏、あるライブの時僕はそれを実感した。喉が結構痛かったのでまずいなあと思っていたが、濃いジンジャーエール一杯であら不思議、良くなりました)、ちゃんとひいてしまうと一通りの症状を通過する覚悟を決めないといけない。こんなに正式な?風邪は実に久しぶりのことだ。家に来てもらうレッスンはうつしてしまいそうなので断わった。
ロバート・ナイトホウク、J.Bハットー、ネーネーズに励まされつつ静かに暮らしている。僕は20歳くらいからずっと、ナイトホウクが好きで、アナログ盤で一番良く聴いて来たブルースマンの一人なのだが、最近CDでまたよく聴いている。彼を知らずにブルース、などと言ったりやったりしている連中は一杯いる。人の勝手だが、やっぱりそれは損をしていると思いますよ。
小出さんが先々月のデュオの時、「Moon is Rising」を歌っていたのを思い出す。僕は隣で最高の気分でハーモニカを吹いていた。

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by nogioh | 2015-11-02 23:44 | Comments(0)