一週間が結構長い。いつまでも暑いからだ。夕方親しい夫婦とコーヒーを飲む。なかなか癒される時間だった。長い夏ばてで疲れているのでありがたい。古めかしいイメージを固持したまま何十年も経っている印象の商店街をぶらつく。新風を吹き込むべく若い人が、少々奇抜な店をやろうとしても、こういう古めかしさびくともしない。僕は古くささに安住するのも、新奇なだけのものを、ろくに勉強もしないまま追っかけるのも好きではない。
気絶したように眠り、夜半目覚めるともう眠れない。だらだら本を読んで過ごす。松本隆の小説「微熱少年」は、おそらく高校生の頃面白く読んだ。吉本隆明が褒めていると聞いて、子供心に嬉しかったのを覚えているが、小説より、もっと昔に出た同じ題名のエッセイ集の方がずっと面白い。ソウルの話、プロコム・ハルムの話、言葉の話。