JOURNAL

レッスン。よく話す人。お喋り好き、という言葉は軽薄で、口数の多い人と決して同義ではないのに混同されてしまいがちだ。心地よい話者はサービス精神の旺盛な人と捉えるべきである。一体どれだけ喋る人なのだ、と思われそうだが、今日の人はそれほどでもない。ただし話は面白い。ハーモニカに関しては吸収力が早く器用な人だ。過去の曲をざっとおさらいして、最後に新しい曲をやるという形のレッスンを続けている。いつの間にか、やる曲をピックアップせねば時間内に収まらないほどに増えた。もうバンドを組んでみた方が良いですね。
夜は涼しいが昼間は暑い。恩寵のように長く続いた寒さは終わった。今からは苦しみに苦しみを重ねるだけの季節を耐え抜かねばならない。恐怖の嵐の経過を息を潜めて待つしかない。目に映る全ての事象が疑わしく禍々しくおぞましい。冷えた空気の栄養があれば容易なことでも、それが尽きれば自己を正常に保つ事すら本当に困難になる。地獄の季節が終わるまで、寒冷な土地で、一歩も外に出ずひっそりと暮らしたい。