今日、Hくんにハーモニカを送った。前々からカスタムコームに変えてもらう約束をしていて、「鳴りの悪いやつがあればそれも送ってください」と言ってくれたので、いくつかピックアップして用意した。ハーモニカが積み上げてある箱とは別の場所に置いてすぐにも発送するつもりだった。が、そこからがなかなか進まなかった。プチプチで包んで、封入して宛名を書き、郵便局に行く。たったそれだけの事が出来ず遅れに遅れて、反省しています、Hくんすみません。Hくんの仕事によるもの、イギリスのカスタム職人Jさんの手によるもの、いずれも快調である。
僕はアンプ、マイク、シールド、そしてハーモニカ、いずれもそれなりに拘るがいわゆるコレクター、マニアではない。実際詳しくもないのである。イメージする理想的なサウンドはあるから、楽器や機材の良し悪しは分かるつもりだが、ヴォーカルマイクで吹くのも楽しいし、お店に備え付けのJCアンプなんかを使ってエレキをやるのも好きだ。ハーモニカにしても出来るだけ鳴りの良いものを使いたい気持ちはあるが、チューニングが狂っていたり、リードが折れて鳴らない音があったりさえしなければ何でも吹いてみたいという気持ちがある。職人が手を入れた素晴らしい鳴りのハーモニカを、良いマイクと良いアンプを使って吹く時と、そうでない時。この二つに、例えば「普段着」「よそ行き」みたいな区別は自分の中では全くない。演奏の機会は一つ一つ大事に思っている。この辺が実にあいまいなのだが、「どんな機材を使っても同じ音を出して同じように観客に喜んでもらうこと」「最高のコンディションの機材を使って最高のサウンドを披露すること」どちらも僕の理想なのだ。前者は金がかからないが、それだけでは物足りなくなってしまう。ない金を投入して機材を揃えても、それはそれで空しさが残るのである。