人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

nogioh.exblog.jp
ブログトップ
2011年 04月 29日

JOURNAL

最近、レッスンの事をあまり書いていない。ここ暫く、自分の楽器に対する言葉というか、考え方への自信がぐらぐらしていたからだ。この数日、内省的になってじっくり考えて一応の整理がついたのでまた書こうと思う。今日は古い人と初めての人のレッスンをした。古い人は仕事場から直行と聞き、丁度正午だったのでまず飯を食いに行こうということになった。休日で駅前は大学生で溢れ返っていた。男も女も一様にがさつで声がでかい。可愛いような憎たらしいような。つけ麺の新しい店が出来ていて、入り口まで行ったが高かったので、無言のまますぐそばの牛丼屋に入った。おっさん2人のわびしい話。アンプやシールドの話で盛り上がりつつ、三連のリズムを刻む反復練習をする。ベテランほどこういう基礎を鍛え直すのが良いのです。僕にとっても非常に良いエクササイズになる。
新しい人は初心者でなく、しかも頭の柔らかい人で、とても話しやすい方だった。カズオ・イシグロが好きなようで、僕がこの日記にイシグロのことを書いているのを読んで「話が合いそう」と感じたのもレッスン希望のメールを下さった決め手のひとつであったらしい。何でも書いてみるものだ。そういえば「わたしを離さないで」は映画化され今、公開中である。ちょっと日程的に行けそうもないが、予告を見る限り原作の雰囲気を壊さぬ繊細な絵で、DVDになったら是非観たいものだと思う。
頭の柔らかさに話を戻すが、初心者でも、ある程度習熟してくると、間違ったことを押し通そうとしがちだが、こうじゃないですかという、こちらからの提案の形でのアドバイスに対する反応が良い人は、大体器用で上達も早いように感じている。間違ったことを押し通そうとする態度は、教わりに来ているのでなければ全然問題ではない。頑固な人、で済む。ただ、僕がやっているのはレッスンなので、こちらが教えたことを否定されたら元も子もない。意見は大歓迎だ。こちらがはっとすることもあるし、教えられることも多い。ハーモニカの奏法には、特に色んな曲のコピーに関しては明らかに正解があるので、誤りを放置して、演奏し続けるのは危ないのだ。
音楽は芸術だから、解釈、という厄介なものが往々にして楽器の上達を妨げる。「ダウンホーム」とか「いなたい」とか「味がある」という、如何ようにも自分本位にねじ曲げて捉え得る言葉も存在する。ダウンホームで味があるプレイヤーなど、日本に何人いるだろう、と思う。ダウンホームとか味、などという言葉を忘れて眺めたら良いプレイヤー、巧い人はプロアマ問わず沢山いる。これもあくまで僕の解釈による思いに過ぎない。その解釈に基づいて僕は練習し、その成果と思えるモノを人前に出し、レッスンもするしかない。

by nogioh | 2011-04-29 23:09


<< JOURNAL      JOURNAL >>