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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2011年 10月 18日

JOURNAL

出張レッスン。楽器店スタジオを借りているが、ここの経営者のNさんとも長い付き合いで、ふと古い共通の知り合いの話題になったりして面白い。今日は、雑談の中、ニューオリンズ在住ギタリストM君が登場した。M君がまだ10代の頃、何度かライブなどでセッションをした。最近ではお母さん共々テレビにも出ていた。
ジェリー・ポートノイの曲聴き取りと実践、毎回良くなっている。ぎっくり腰直後で、腰をいたわりながら吹いておられたがちょっとアピール過多気味のポートノイのタングスラップの癖も、指摘するとよく似た音を出せるようになった。
何かを忘れようと明確に意識して楽器を吹く、ということはあるのだろうか。今日、ふとそんなことを考えた。普段なかなかそういう風に自分では考えないし、生徒さんや周りのミュージシャンからも聞かない。しかし音楽が感情移入行為であり、忘我を目指すものだとしたら、よくそこに入って行けたとき、僕らは色んなしがらみから解放され、また別の苦しみ、または喜びを生きられている、ということかもしれない。しかし一方で芸術に於ける忘我は、自分の奥深くに可能な限り沈潜してゆくことで、腐って異臭を放つ心の澱や、軽薄で愚かしい振る舞いへの衝動、その根っこである怯懦な自意識を暴き、別なものにうまく昇華(または異化)させる行為である気もする。カタルシスというか、演奏し終えて演奏自体に悔いは残れど、良い気分になってこそ演奏の意味があるということなんでしょう。
…と電車でぶつぶつ考えていた。レッスンの充実感があったという事なんでしょう。風邪気味で体はがたがたなのだが。

by nogioh | 2011-10-18 23:59


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