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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2012年 09月 30日

JOURNAL

台風が接近する中、三島さんの車に乗せてもらって大阪まで出かけていた。ザバザバという雨の音を聴きながらミックス作業。昼はスタジオのすぐ近くのCoco壱にカレーをテイクアウトしに行った。風が冷たくて、今年初めて「寒い」という言葉を口にした。横を見ると、三島さんは薄手の上着を2枚も重ね着していて、さすがに驚いたが確かに昼間の空気が冷えびえとしていた。カレーを食いながら僕ははっぴいえんどの「颱風」と「明日あたりはきっと春」を思い出していた。僕ははっぴいえんどの曲の中で「明日あたりは…」が一番好きだ。細野、大瀧という、疑いようもなく大きな才能による佳曲の数々よりこの曲。最後まで日本語でロックを歌うことに抵抗していたという、メンバー中最も若い鈴木茂のこの歌を初めて聴いたのは高校生の時だ。今でも聴くとすっと体に入って来て様々な感情が喚起される。名曲だと思う。

冬化粧 白は流れて
砂糖菓子の街ひっそりと
テーブルには牛乳瓶に詰められたぼくらの春が

ほら ごらん
冬が空をゆっくりと渡ってゆくよ

冬がだんだん遠くなる

春の部屋 緑は流れ
木蓮の花 咲き乱れて
鳥になった ぼくとお前は
溶け出した春に舞い上る

あしたあたりはきっと春


若き松本隆の文学的才気が迸る素晴らしい歌詞。これは冬から春に移る瞬間を幻視するような歌だが、やっと涼しくなって来て、いよいよ冬が待ち切れない時節に入ると僕はいつもこれが聴きたくなる。

by nogioh | 2012-09-30 23:27


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