昼間某所で喋るという変な仕事を頼まれ、実に久しぶりにライブ以外でマイクを持ったが、ああ、こういうのはとても体に悪いのだと再認識した。くたくたになって帰り、遠方からレッスンに来てくれた若いI君と駅で合流し、飯食ってからレッスン。またしばらく会えない筈なので、質問も一杯だったし僕も怒涛のように話す。こちらは心地よい疲れであった。今からハーモニカをどんどん好きになって行ける余地を残している状態は素晴らしい事だと思います。でも、曲順を考えたり、集客をせっつかれて宣伝したり、スタジオに入って練習したり、そういうのがしんどい時はあっても(よくある)、ブルースの事を考えない日もハーモニカに指一本触れない日もこの20何年なかったかも知れない、と思う。こういう風に、偏執狂的になれる対象を持つことは、物凄く大きな枷になるが、やはり良い事なのだろうと思いたい。I君、頑張れ。お金はかかるけどハーモニカを壊しまくるほど吹いてください。
昔一緒に働いたことのある年少の友人で、今はよくライブに来てくれるお客さんでもある人から、小川国夫の新刊が出ている、とメールが来た。調べてみると若い習作時代の作を集めた本らしい。奥さんが、小川氏亡き後作家との日々の回想を綴った長編随筆と合せて注文する。本屋に走れない真夜中にだけamazonって便利、と思う。ネット通販全般に言えることだが、そういう場合を除きそれらの存在は愛憎入り混じった奇妙な感覚に僕を陥らせる。待ち遠しい。