人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

nogioh.exblog.jp
ブログトップ
2013年 04月 08日

JOURNAL

ある生徒さんから、この歌のソロが吹きたい、というメールが来て吉田拓郎を聴いている。「イメージの詩」。僕は思春期に聴いて大きな衝撃を受けた。それから10年以上経って、本屋で立ち読みしていたら有線から今度はこの曲の浜田省吾のカバーが流れて来た。10年の間に僕なりに色んな音楽を聴いて耳も鍛えられていたから、その時は先ず音のクオリティに驚き「ギターが格好良い」と興奮した。後になって調べてみたらワディ・ワクテルだった。ウォーレン・ジボンやランディ・ニューマンのアルバムを僕が連日聴き狂っていた頃、その渋いバッキングワークにいつも感嘆していた名手だ。そんな訳で久々の「イメージの詩」は何かと感慨深く聴きました。フォークの人のハーモニカのコピーを試みることは先ずないので新鮮な作業でもあった。今聴くと、この曲を書いたころの拓郎を遥かに年齢で追い越した僕は、その若々しさについていけない部分もあるが、それでもとても良い歌です。水夫などという言葉を聴くと、ギンズバーグ~ボブ・ディランの流れが当時の日本の若いSSWにいかに大きな影響を及ぼしていたかがよく判るし、少なくとも拓郎が言葉によって、この曲の場合奔流のような饒舌を音楽にすることによって、何かを壊そうとしていたことは明らかだ。友部正人の「新生ひと箱分の一日を指でひねってゴミ箱の中」「ああ中央線よ空を飛んであの子の胸に突き刺され」などもそう。力のある言葉を探し出し、組み合わせ、躍動させ、誰かに提示するという作業、そこに思いを馳せることが、今でも根本的な自己治癒のよすがとして僕の中にあることに気付く。

by nogioh | 2013-04-08 23:25


<< JOURNAL      JOURNAL >>