今日のレッスンはマジック・ディック(あの曲です)をじわじわコピーしている方。地力があって理解力も高いベテランなので着実な印象だ。村上春樹の話、映画の話から、昨今の日本の商業音楽シーンの悪口に移行し止まらなくなった。「若い子には言わない方が良いですよ、おっさんだと思われるから」と言われた。おっさんですけどね。ダメと言わず、判らないと言え、という「批評に対する批判」がかつて文学の世界であり、実作者でない限りは、そうあるべきだと僕も思った。僕は音楽をやっている現場の人間なので多少は悪口を言っても良いだろうという気持ちもあるが、いくら僕なんかが否定しても売れるものは売れるので、やはり空しさは残る。これはいただけない、と一昔前に否定的に見ていたバンドや曲が実は結構良かったのかも、と思えてくるくらい今の日本の若い子の音楽は総じて駄目になっている。日本語力の凄まじいまでの低下とそれを居直る姑息なギミックの存在がまずあって、さらにロックを自称するバンドに関しては首をかしげたくなる歌唱法の出鱈目さと、声の脆弱さが音楽のつまらなさに輪をかけてしまっている。これはきっと日本に限った事ではないのだろうという気もする。まあ、もう音楽番組も滅多に見なくなったのでよく知らないし、こういう事はあまり書かないようにしたい。
流れで睡眠時の夢の話にもなった。見る夢は全部悪夢だ、と僕が言うと生徒さんも「自分もです。良い夢なんて見たことがない」と言われた。
他の人はどうなのだろう。電車で居眠りしても怖い夢を見て魘されそうになる僕だが、かつては良い夢も見ていた気もする。悪夢を見る頻度と加齢は関係あるんでしょうか。