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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2013年 08月 08日

JOURNAL

夕刻、携帯が怖い鳴り方をして冷や汗をかいた。否応なしに届く緊急エリアメールだ。東京の親しい人がすぐに「大丈夫ですか?」とメールをくれたりしたが、一向に揺れず、結局誤報だと判った。東京にまで届いていたのか。暑さにうんざりするばかりで完全に油断していたので、ちょっと考えてしまった。東日本大震災、そして僕がまだまだ若かった頃の阪神・淡路大地震の事も思いだした。
当時勤めていた会社で僕は、外回りの時以外はの大抵2階の部屋にいて、図面を引いたり、タイプライターで書類を作ったりしていた。そしてラジオ関西(AM神戸)を点けっぱなしにして聴いていた。会社のラジオはFMが入りにくかったし、そもそもFMは日本のどうでも良い音楽ばかり流すので好きではなかった。ラジオ関西はAMなのに昼間古い洋楽をひたすら流す長い番組があって、雑音混じりに流れるグレン・フライ、リビング・ストーン・テイラー、サイモン&ガーファンクル…、それらの曲と、余計な話をせず淡々と曲名だけを紹介するアナウンサーの声を聴いていると、殺伐としがちな気持ちがふっと楽になる瞬間があったので気に入ったのだった。そして1月17日、眠りを引き裂いて地震が来た。何日か経ったある日の昼間、ラジオ関西の放送中、一人の女性アナウンサーが「お聴きくださっている皆さん、水の要らないシャンプーがあるそうです。私も何日も頭を洗えていません」と話すのを聴いた。石井さんという女性だった。僕はこの人の語りが好きだった。
今日、誤報メールを受信して、この日の放送を思い出していた。
今のバンドを組んだばかりの頃で、週1回、必ずスタジオに籠もって練習していた。タングブロックで色々やれるようになってハープが楽しい時期だったが、それ以外は嫌な思い出の方が断然多い時代だ。そこで完全に僕が滅びてしまわなかったのは、明確に幾人かの助けがあったからだ。具体的な幾つかの言葉、態度、行動に触れたからだ。

by nogioh | 2013-08-08 23:45


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