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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2014年 02月 27日

JOURNAL

久しぶりにマッドハープ加藤さんからメールが来た。彼が痺れた動画の情報などをたまに送って下さるのだが、今日のはエクセロ系の動画紹介でした。どうもありがとうございます。最近、ややパソコンから遠ざかった毎日を過ごしており、それでも時折ブログは拝見していた。ハーモニカのテクニックに関する記述は、お互い長くやっていても(長くやっているから、なのか)解釈が微妙に違っていたりして色々と興味深い。その中でパッカリングとタングブロッキングの折衷について書かれている箇所があった。きっとハーモニカ吹きはみんなそうだろうが、昔から僕も色々試して今に至る経緯があるので、これはやっぱり書いてみたくなるテーマなんだなあと思った。BSR誌のハーモニカ特集の初心者向け講座にも、去年出たギターの教則本(引き受けてから知ったのですが、壮年向けフォークギターの本でした。楽しいお仕事でしたがホルダー付けて吹いてる僕の写真が載っていたりして見ると恥ずかしい)のハーモニカコーナー?にも100%タングブロックで吹く人は殆どいないのでは、と僕は書いた。確証を得た訳ではないが、長い間、何度もコピーをしながらしつこく聴いていると色々判ってくることも多く、僕の中では確信に変わってきている。100%パッカリングの人はいるかも知れないが、耳で聴く限りこちらも出会った記憶はない。僕は20代前半にオクターブでアタックを出す練習をしていたのがきっかけでタングスラップ(こういう名称などはずっとずっと後になるまで知らなかった)が自分なりに出来るようになった。舌で隣の穴を塞いで音を出す基本練習をせずに、いきなりスラップにはまってしまったのだ。これは本当に革命的な出来事で、以来、僕はタングブロックのプレイヤーになった。しかし、パッカーでしか出せない、しかも本当にブルースっぽい音も一杯あるのに使わない手はないと思い、最初からハイノートだけではなく低い方の音を使うときにもパッカーをちょこっと混ぜながら演奏しようと思っていた。パッカリングで練習したことを全部捨て去るのが惜しかった、という理由もある。ライブでも家でも意識的にちょっとずつ配分を変えながら両者を混ぜて吹いていたものだ。秘薬の調合みたいなもので、厳密にはまだ試行錯誤は続いているが、今は、まあ、これが自分の比率だなという感覚は掴めてきて、切り替えも楽になって来た。ウォルターなどに特に顕著だが、パッカーでないと出来ない(ブロックして出来たとしても苦労するし、また苦労の割に報われない気もする)技もブルースには沢山ある。にしてもタングスラップは僕にとって革命でした。今でもライブでやっているコットンのCreeper、ウォルターのJuke(一部だが素晴らしい切れ味)、ホートンのWalter's Boogie、加藤さんのレパートリーの中で僕が特に好きなジュニア・ウェルズのCut That Out(これもウェルズは一部だが切れ味抜群のスラップを聴かせてくれている)などを目標に、悶々としながら吹き続けた日々があった。僕はゴマさんと友達になるまで長いこと一人でやっていたから、しんどかった思いばかりが残っていて、その頃のことにあまり郷愁は感じない。

宮本輝の古い短編「ホットコーラ」「道に舞う」「暑い道」などを、苦労して書棚の奥から引っ張り出して来て読み返している。ある明確な時期を境にこの作家は変わってしまったので、それからはほとんど読まなくなったが昔の作品はほぼ全部、掛け値なしに面白い。エンタメとか純文という区分けが小説をダメにした、と若い時から言い切っていたこの作家ならではの、迫真のドラマ作りの芸が冴え渡る。

今日はマッサージに行った。長い間お世話になった施術師さんが退社されることになり、今日が最後の予約であった。マッサージ店は日本中いたるところに、うんざりするほどあってもはや飽和状態だが、高度な技術を持ち、しかも自分に合うという人はなかなかいないものです。去年もう一人の方もそこを辞めたので寂しくなります。時の流れを感じもします。どうもありがとうございました。

by nogioh | 2014-02-27 23:47


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