6、7年前から約2年間、九州のユニークな歯医者さんが運営されていたサイトに、僕は月2本くらいのペースで音楽についての短い文章を連載していた。縁あって仕事として依頼をいただいていたものだ。そのサイトはもうない。閉鎖が決まった時、僕はそれらの文章を何となく消しがたい気分になってしまい、この日記的なページとは別会社のブログサイトに、こっそりとそれらを移した。自分のために記録として残したかっただけなので、本当にこそっと置いたのだ。訪れる人もない。残しはしたものの僕も覗くことのないまま月日が経ったが、今日僕はその雑多な音楽にまつわる自分の文章を久しぶりに読み返した。どうしても思い出せないアルバムタイトルがあって、そこで取り上げていたような気がしたからだ。予想通りそのアルバムについての記述はすぐに見つかり、僕の目的は達せられた。あとは大した意味も目的もなく、さらに読み返していたのだが、ああそうだった、という再発見があった。僕はジョン・プライマーについてもそこに書いていたのである。それほど昔でもないが、そのこと自体すっかり忘れていた。何となく懐かしい気持ちで読み返した。ともかく、その文章を書いた時、僕はジョンと共に演奏する日が来るなど想像すらしていなかった。長く憧れて来たブルースマンとの共演は勿論幸せなことだが、導きというか、巡り会わせとは不思議なものだという思いが強い。レッスンを終えて帰る電車で、今週末のライブのセットリストを作りながら(メンバー二人から、申し合わせたように「早くせよ」という怒りのメールが来た)、その一週あとにはジョンと同じステージで自分はハープを吹くのだ、と改めて実感した。2月1日、拾得です。お見逃しなく!