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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2015年 03月 28日

JOURNAL

ロック食堂(阿倍野)で小林万里子ソロライブのバックを務めた。大阪のライブが増えている。それでもいつも道に迷う。東京だと迷わないのに、実に不思議である。今日は比較的スムースに到着した。僕抜きでやる曲のリハが終わっておらずしばし見学する。リハ終了後、全員で近くの店にうどんを食べに行き、本番。僕は不参加の曲もあるので、その時はバックヤードで客として観た。強烈な毒があるが、言葉と曲、演奏(鷲尾さんのギター)が渾然となって説得力が増し、小林さんの仕掛ける挑発を観客は素直に楽しむことが出来る。知的な人ならではの芸だといつも感心する。大谷さんが帰った後も、気分良くお客さんや鷲尾さん、小林さんと話しこんでいたら終電の時刻が近づいてきたのでばたばたと店を出た。大谷さんは、そういう性格なんでしょう、ライブの後いつまでも店に残っているという印象がある人で、僕が彼女より後に店を出るというのは実は滅多にないことだ。JRが途中から運休であることを地下鉄に乗ってから知り、慌てて近鉄に乗り換えた。今日僕が着て行った革のジャケットはアメリカの古着だ。古めかしい形で、サイズはやや大きいが状態がとても良くてしかも安かったので気に入っている。唯一つ、ナフタリンの匂いがいつまで経っても消えない。これは困る。購入当初より薄れては来たが時折ツンと来る。近鉄電車は込んでいて、空気はむっとしていた。暖房(今日のような暖かい日になぜ暖房なのか?)の風に乗って、ナフタリンが匂った。ああ、これは気づく人がいるなと思った。吊革にぶら下がる僕の前には話に夢中な様子の二人連れの若い女性が座っていた。不意に一人が、訝しげな表情で自分が巻いているスカーフを顔に近づけ、さりげなくその匂いを嗅ぎ始めた。「防虫剤の匂い。くさい。私かしら」、と思ったのかもしれない。だとしたらなんと言うか、申し訳ない。犯人は僕なのでした。

by nogioh | 2015-03-28 23:41


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