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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2015年 11月 28日

JOURNAL

昼間車で大阪(の端の方)に行き、夕方からは2人続けてレッスンをした。楽しい仕事です。先ずはベテラン。セッションでやって受けた、というウォルターのインスト(サードポジション)を聞かせてもらった。これはウケるだろうとギター伴奏しながら思った。全体に太い芯が通っておりました。サードポジションはベンドが多く、フレーズの中で音を曲げた時の音色の魅力を活かしやすい。生よりアンプリファイドに向いたポジションだと思います。バンドを作って欲しい人です。そのあとは入れ違いに遠方からの人。入れ替わる際に挨拶を交わしておられた。ちょくちょくライブ会場などで会っておられる間柄なのだ。遠方からの人は若い人で、京都に住む弟を連れ立っての来訪。これまでの過程で一度大きく音が変わった経緯があって、どこに重きを置いて練習していけば良いかが見えやすくなった。なりたいイメージは当然人それぞれで、僕は何一つ無理強いはしない。セッション感覚で、時々文句を言ったりリクエストしてみたりする。弟さんがギターを弾いてくれたので、今日は特にセッション感覚が強まりました。
ウォルターを学ぼうとすればウォルターだけを聴いていたのでは足りない。学ぼう、は楽しもう、に置き換えても良い。出発はみんな(特異な例外もあるが基本は全員)リスナーですから。リスナーとしての喜びを深めるために色々聴き漁るのは容易い。それは本能的でナチュラルなことだ。そういう人をマニアとは言わない。どうしてもマニアと呼びたいなら、マニアでないミュージシャンなどありえない。ブルースの特殊性と言うか、誰でもやれてしまうようなとっつきやすさはダブルバインドである。セッションならこちらが金を払うから何でも良いが、金を取れるブルースは誰にでも出来るものでは決してない。まず色々な音源を聴く喜びがあって、その蓄えを使ってとにかく練習、そしてある種の居直り(本当に凄い表現者はフォロアーを持たない云々)を経て自己流、という言葉に辿り着くのです。お金を払って聴きに来てくれるお客さんの中には、殆どブルースを知らない方もおられる。そういう人には、まだ自分の知らなかった素晴らしい音楽があったのだと驚き、その喜びを味わってもらいたい。僕はずっとそう思ってやっている。そういう目標、筋道をミュージシャンが見失えばブルースは滅びてしまうという恐怖がある。この世で一番美しいと思っている音楽が自動化し、衰え、パワーを喪失してゆくのは辛い。多くの人が知っているMojo workingやSweet Home ChicagoやAin’t Nobody’s Businessで一緒に盛り上がるのも勿論良い。しかし、これらの曲が特に優れているから人口に膾炙したわけでは当然ながら、ない。ブルースへの入り口として相応しい名曲はもっと他に沢山、それこそ唸るほどある。それをどうにかして多くの方に知っていただきたい。まあ僕になど大したことはやれないですが・・・。いないよりまし、程度でも良いのだ。今日レッスンに来た二人は、探究心旺盛で、沢山ブルースを聴いている。だから僕も刺激されるし、共に向上できる。上に書いたようなことも、今更何を、と言う事ばかりだが、今日のレッスンでしみじみ追認したのでした。

by nogioh | 2015-11-28 23:23


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