映画「ヴィンセントが教えてくれた」を観た。シビアな現代性もあって、余韻が残る佳作。ビル・マーレイは勿論、ロシア人売春婦役のナオミ・ワッツも素晴らしい。老人ホームのスタッフ、アナを演じたキンバリー・クインら、助演陣もとても良い感じ。「ロスト・イン・トランスレーション」ではエルヴィス・コステロを熱唱したビル、今回はディランを歌います。
甘くてゴージャスでバブリーな音楽にはまるで縁のない僕だが、バブルの時代に思春期を過ごした事実は、深いところで僕の嗜好に影響を及ぼしていて 、時折当時の風俗や音楽が無性に懐かしくなる。ダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイによるスタイリスティックスのカバー「You areEverything」を聴くと良いなあと感じるのも、思春期に染みついたものと無関係ではないと思う。勿論この曲のリリースは70年代だ。しかしべったりと甘くて、サウンドもヴォーカルも非常にバブリーである。いつも聴きたい歌ではないが、たまに、ないと困ると思う。