「UWF最後の真実」、「下山事件 最後の証言」、村上春樹が短編を載せていたので「文學界」を購入、読了。文芸誌を買うのは何年振りだろうか。数が売れないからしょうがないが、高いなあと思う。新日本プロレスとUWFインターが交流戦に突入した時、ついに、とは思ったが、僕は実はものすごく楽しんでみていた。安生とか桜庭は厳密にはプロレスラーではなく、それは言い過ぎとしても、アメリカン・プロレスの鍛錬を受けた人ではない。その試合がどういう種類の試合であろうと、そういう選手が、長州のような熟練と絡む試合はとても新鮮だった。一方高田は桜庭とは違う。彼はプロレスをよく知っている。その差がもの凄く出た一級品のプロレスの試合が武藤、高田戦だった。交流戦の後、Uインターが瓦解するであろうことは目に見えていたから切ない気持ち半分、それでも僕は感動して観ていた。当時は、自分の半生の中でもかなり辛い時期だったが、色んなことを思い出しながら「UWF…」を読んだ。下山事件は最近また関心が高まってしまい、ネットで注文した。有名な本だが初めて読んだ。人物も出来事もものすごく入り組んでいるので覚えきれず読了には苦労したが、書く方はもっと大変だったろう。ドキュメンタリーの傑作、そしてとんでもない労作。