2018年 10月 14日
同世代の仲間、TAKAGIMANは小気味良いシャッフルを叩く素晴らしいドラマーであり、アイデアマンだ。若いころから名前は知っていたが、友人関係になったのは10年ほど経ってから。それでももう長い付き合いだ。彼が拘るダンスミュージックとしてのブルースという概念、その思いをそのままコンセプトにしたイベントにも年1回、バンドで呼んでもらっている。そんなTAKAGIMANが持ち込んできた新しい企画はノスタルジックでありながら視線は未来に向けた、彼らしいもの。レコードを持ち寄ってあれこれ話をしながら一緒に聞く。軽く演奏もする。その一部始終を公開してお客さんと共有することで、「日本でブルースという音楽と密着して生きると言うこと」、について一緒に考えたい。そしてブルースの力を改めて見直す機会としたい。そういう意図だと理解した。選ばれたのは僕と岡部君。 岡部君のブルースに浸かり切った青春を彷彿とさせるセレクトも、お客さんの反応も含めて勉強になったし、刺激的で楽しい時間だった。昼間だったがシカゴロックは地下にあるブルースバーで、どの時間帯でも簡単に深夜だと思い込めてしまう。誰かと一緒に聴くことで、そのレコードの良さが何倍にもよく理解できる、という体験(そこに暗示や錯覚も含まれていようと、忘れられなくなる、ということは素晴らしい)は青春時代独特のものだと中年の悲哀と共に思っていたが、例えば岡部君が持って来たエディ・C・キャンベルの名盤中の名盤「King Of Jungle」などは改めてぞくぞくしながら聴いた。タイトなシャッフルのビートにソリッドに切り込むキャリーのハーモニカ…。30年くらい一気に時間が戻る気がした。 僕が持ち込んだのは「Chicago Piano Ology」「Windy City Blues」「Bachelor Blues」「Chicago Southside Blues Jam」「Johnny Young & His Chicago Blues Band」。所謂黄金期、若しくはそれ以前のものばかりだがとにかくよく聴いたものばかりだ。王道と言われればそれまでかもしれないが、全て今後もずっと好きであるはずのアルバムで、ブルースの話をするのにこれらは外せない。 寒くても暑くてもレコードを抱えて友人宅に行きレコードを聴き、昼も夜も喫茶店で音楽の話を延々として、25歳くらいまでの僕は一体いつ働いていたのかと自分の事なのに不思議に思う。実際金は全然なかったし、食事を抜いてレコードを買うという日々だった。でもあの日々に得たもので今音楽をやれているという気もしていて、そういう奇妙な栄養摂取の感覚がちょっと今日のシカゴロックで蘇った。TAKAGIMAN、誘ってくれてありがとうございました。岡部くん、流石のブルース狂っぷり、感服です。お疲れ様でした。
by nogioh
| 2018-10-14 23:12
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大野木一彦
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