雨がよく降る。京都のような閉ざされた地形を持ち、その地形の千年の影響の下、そこに生きる人間の心情まで閉ざされてしまったように思える町に、雨は非常に具合の悪い、アスファルトに塗りこめた怨念が洗い出されるような、ちっぽけな、ビルとも呼べぬビルを、生温い汗まみれの大きな掌がすっぽり覆ってしまうような鬱屈した気分を蔓延させてしまう。
ライブの近い生徒氏のレッスン。一音も逃さず曲を聴こうとする事が、無上の喜びにならないと、どうしても楽曲の把握が曖昧になる。全身で、喜びをもって表現する事が大切だが、それは伝わりにくい。笑顔ではないのだ、喜びの音。だからいろいろな技術が必要になってくる。聞く技術もその一つ。