最年少者レッスン。彼の語りは青春の普遍性みたいな浪漫に僕を誘うから、ノスタルジックな気分になる。どうしようもなくそういう気分から遥かに離れたことをつくづく思い知る日々だからこその郷愁なのだ。レッスンの後その生徒氏とラーメンを食べに行く。地元の名店的な知名度だが、味のレベルは相当なものだと確信がある店で、あたかも自分が作った料理であるかのように生徒氏の反応が気になる。結果は予想を上回る大好評で紹介した甲斐があった。
新潮社の大判ムック「アメリカ青春小説特集」再読。十七年も前に買ったのだ。まだ新しいものが生まれ得ると、文学者は文学を信じていなければならず、そしてやはり、地球最後の瞬間まで生き残る唯一の芸術は文学でないといけない、そんな気分にさせる本だ。祭りの空気がある。こじつけでなく、その祝祭的な気分は、出版された89年という年と明らかに関係がある。