田中小実昌「香具師の旅」は丹念に読み進んでいるが、「ミミのこと」は読んだ覚えがある。読んだらすぐ真似したくなって、絶対真似できない文章の見本みたいだ。もっと後年の、何だか苦しげな「カント節」「アメン父」なんかも昔熱心によんだが、もいっぺん読んでみたい。
最年少弟子のレッスン。ブルースに傾倒しているが、ロック的な観念というか、美意識を通じて何もかもを眺めているようなところがあって、いい意味で若いというのはこういう事なのだと感じる。ギターも習っており、そっちの方の先生にビートルズを借りたといってCDを見せるので(中後期ベストだった)、名曲「Don’t Let Me Down」を鳴らしてハーモニカを付けたらえらく受けていた。たいしたことは何もしていない、楽曲の良さに甘えず、つまり油断せずやれば誰でも吹けるのだ。それを言いたくて吹いてみた。
現生徒でもあり、お世話になる店のマスターでもあるGさんに借りているエクセロのコンピ盤「Blues Hangover」の、ジミ-・アンダーソンが気に入っている。ジミ-・リードのそっくりさんだが、歌もハーモニカも非常に味わい深い。