急遽ライブが決まって混乱気味の生徒氏のレッスン。エルモア・ジェイムスの「Goodbye Baby」みたいな八小節のスローブルースに、バッキングでハーモニカを絡ませて行く快楽を少しは理解してもらえたか。嬉しそうにしていたので、そう思っておきたい。ハーモニカを買いに行くというその人の車に乗せてもらい繁華な場所まで出る。助かりました。主たる用を済ませ、久し振りに行く、レイアウトが優れた大きい本屋で、欲しい本を一杯見つけてくらくらした。上製本ばかりで高いのだ。文庫になりそうなものもあるが、期待が薄いものが多い。小川国夫「夕波帖」(幻戯書房)古井由吉「詩への小路」(書肆山田)、雑誌「ユリイカ(ル・クレジオ特集)」、エミール・ハビービー『非楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(出版社失念)、小林信彦「うらなり」(文藝春秋)、同「東京少年」(新潮社)・・・。ユリイカはまあ、いいとして、後は読まねばなあ。溜息と共に帰宅。軽く走って、落語風呂。「地獄八景」は大好きな名作だが、一度に読みきったらのぼせて倒れること必至の大作。分割にしよう。一番長い付き合いの生徒さんと電話で話す。元気そうで良かった。禁煙、そしてジョギングなどという日常を報告すると笑っていた。いつぞやの引越し時のままの埃だらけのダンボールから、古い「平成紅梅亭」のVTRが見つかって、春団治ヴァージョンの「皿屋敷」を久し振りに観返せた。福笑の異様なムードの新作落語「泥満峡」も入っていて、このテープ探していたのだ。