若者レッスン、二人。まずは工学系大学院生の当世就職事情の取材しながら、ライス・ミラーの魔法のような音遣いの分解講義。もう一人は話ばっかりになったが、八小節ブルースのソロ作りの復習もちょろっと。持ってる力を信じて頑張ってほしい。ジョン・リー・フッカー「ブギチレン」は恥多き時代の真っ只中、十九の冬に買った。まるで理解できぬまま、隔月一回くらい針を落とし続けて、何のきっかけもなくある時、目が眩むほどの衝撃がきた。当時はまだ昼間も薄暗かった寺町通りのアーケード街にこのアルバムが響き、恐喝のカモを物色するならず者が、にわかに震え出し狂ったように散々になって走り去る図を夢見たものだった。
落語は「宿屋仇」。何度も聴いているとても好きなネタで、気合入れて読む。