「アイ・アム・サム」と、「ロスト・イン・トランスレーション」。どちらも好きな映画で、女性の監督作品である点と、音楽の使い方が実に巧いところが、共通している。今日、「サム」を観ていて、案の定落涙したのだが、同時に改めて音楽に関心したのだった。全編ビートルズのカバーで、その選曲が、ありがちなポップチューンを避けて、かなり凝っている。そこがいい。テーマ曲とも云える「Two Of Us」なんて、ポールの曲ではトップクラスに挙げられるくらい好きな曲で、それだけでこの映画は良いと思える。「ロスト・・・」の方は、シンセサイザーのヒーリング系で、マッサージ店のBGMのようなのだが、これが異国の都市をさまよう不安と孤独を見事に浮かび上がらせる。カラオケで、ビル・マーレーがコステロ調に歌うのが、「(What’s So Funny About)Peace,Love and Understanding」というのもロックマニア泣かせな心憎い選曲で、僕はこれで参ってしまった。体調イマイチなれど心安らかな日。落語「土橋萬歳」読。