年末から年明けにかけて、懐かしい友人との再会が多く、N君もその一人。小学校からの付き合いで、基本的に、頑固で内にこもる性質の子供だった僕が、どういう訳かN君と組むと大胆になれたものだった。年末に不意に連絡が来て、初めてライブにも来てくれ、正月にも一度会って長い時間喋った。もう一人、ずっと連絡がつかず心配していた友人とも、年明けにようやく会えた。部屋に通されて、本棚を見て安堵した。物を書く人間らしい書物がぎっしりで、荒まず逸れず年を重ねている様子が判ったからだ。こうした交流の復活の片側で、怒らせてしまった友人もいるようで、悩みの種は尽きない。書物。 書物の世界に逃げ込みたいと時々思う。ひたすらに字を読み、辞書を引き、書き込みもして終日閉じこもり暮らす。独楽鼠みたいな現状ではとてもかなわぬことだが、それは何と甘美で切ない誘惑だろう。