こんな凄いのは何年ぶりか、と思えるほどの悪夢に魘されて、目覚めて暫くは、全身を苛む悔恨と衝撃に息が乱れて身動きできなかった。一日その余波の中鬱々と過ごす羽目になると覚悟したが、夕刻からは気分も晴れて、外で美味い飯も食べれて救われた。カズオ・イシグロ「私を離さないで」、ついにテキストを買ってしまう。名訳者と評判の人だったのも理由だが、まあ単純にカンニングですね。読み始める。異様な物語である事がゆっくりと理解されるにつれ止まらなくなりそうだ。二十歳の時のように、一睡もしないで読書すると翌日辛いので、我慢して途中で止める。