三人レッスン。気心知れて色々話せる人達で教える時間も楽しいが、一杯ハーモニカを吹くからかなり疲れる。気ばかり急いて、手付かずなままの様々な事柄。白髪ばかりが増える。風呂は好きだが家で風呂に入ると基本的にはろくなことを考えない。眠る前も同様。温まるのが良くないようだ。夏も春も大嫌いなのはそのせいか、と今更ながらに思う。三人目の教え子氏が持参してくれた2003年リリースのSugar Ray Norciaのアルバム、一曲目をチラッと聴いて即座に注文した。本日の収穫。小学校の時に読んだ光瀬龍「あばよ!明日の由紀」という短編集をぱらぱらと読み返す。最も衝撃を受け、感化されたSF作家だが、このジュブナイル本の最後を飾る「ゆく春のうた」は、珍しくSFではない。子供の僕は感動したが、瑞々しい高校生の恋愛物語について、人に話すのは恥ずかしかった。同じくこれを読んだ友人と、おそらくお互いに、かなり勇気を出して「面白かったな」と言い合った思い出が蘇って、笑いそうになりながら四半世紀以上の年月の経ちように目を剥いた。なんと騒々しく、むごたらしく、そして軽々しい人の歴史!