若い人のレッスン。耳年増になって基本がおろそかになるのが恐いのだが、何かと伝えたくなってべらべら喋ってしまう。それで慌てて基礎練習に戻ったりする。学ぶ、盗む、それを強く意識しすぎると音楽を聴く行為の価値は下がります。ネタを探して町を歩く、などという作家や漫才師の話を聴きますが、本来ふらふら町を歩くのはふらふらすること自体に純粋な価値があるのです。CDのジャケットを胸に抱いて一心不乱に、聴き終わったら疲れてぐったりして気を失うくらいに聴いて欲しい。それが一番栄養になります。今の僕は楽しんで聴く音楽、というものがうんと減って、車以外は殆ど練習用にしか聴かない。芸術に対しては礼を欠いた態度です。早く「バベル」観に行くようにね。スタジオリハ。寝不足のためフレーズ冴えず、気持ちも晴れず。