まだ新しいが熱心な生徒氏レッスン。手探りなのでペースが掴めずすぐに時間が経つ。なんだか詰めこんでしまって申し訳ない気分になる。幼少から中学生になるくらいまで、その時々に傾倒しているジャンル内のベスト3をしょっちゅう心で反芻するという変な癖が抜けなかった。例えばSFに夢中だった頃なら、3位はシェクリーのこの短編、2位は眉村卓のこれ、1位は光瀬龍のこの長編、というようにそれぞれの本の表紙の絵まで克明に思い浮かべて自らに確認するのだ。新しく魅力的なものをどんどん知ってゆくから順位は当然変動する。逐次確認していないと気が済まない。この「儀式」は大概就寝前に行われ、それをしないと眠れない。今日、その生徒氏と心理学の話をちらっとしたことが原因か、そんな事を思い出し、あれは奇妙な依存の形だったなあ、と今更ながらに感じた。