若い人レッスン。無難な言葉を避け、緊張を持続させて会話する思慮深いところと、一足飛びに全部の問題を解決したい欲求にいつも苛まれているような、情熱の空転も味わっているはずの瑞々しさも持ち合わせた性質で、きっと一日24時間では全く足りないのだろう。ずっと長く生きている僕も感覚的には未だにそうなのだから、当分足りませんよ。と云っておこう。音楽そのものについての議論、みたいなことを、この人相手によくやるが、そういうやり方が相応しいタイプの感受性だと判断しているわけだ。実技では、現段階では、とても実力に釣り合っているとは言い難いサニーボーイⅡに手をつけて七転八倒である。僕がポール・バタフィールドにのめりこんで徹夜で練習していた年代だ。夕方は外で飯。荒みがちな日々の中、本当に救済される思いのアルコールだった。ほとんど呑めないのに。