マイク試し買いの共謀者が、自身のバンドのリハを終えた足で、ブツを届けに来てくれた。性能は、報告は受けたがまだ僕は未使用なので触れずにおいて、とりあえずフォルムは良い。色は全面クロムがいいねえ、とぼやきあった。アメコミ風のイラストをあしらった円筒の箱がいかにもアメリカっぽくて愛着が湧く。片岡義男は(あの作家は確か日系二世だか三世だったはずだ)、アメリカの歯磨き粉や石鹸を集めていて、それはデザインに魅了されるからだ、と彼は書いていたがよく判る。カリフォルニアを旅した時、僕にとっての何よりのエキゾチシズムは、コーヒー飲料の瓶とサインペンのデザインだった。レコードも含め、収集の趣味はない方だが、あちらの文具とか、そういうものなら少しそそられる。一人の生徒氏がアンプを買った。初めてのアンプオーナー。電源を入れた時の音や真空管の色の変化に感動した、と言う。いいなあ、その感じ、と素直に思う。機材への傾倒を批判する声はあるし、理解も出来るが、機材のオーナーになってみると自分にとっての音楽というものの見晴らしが良くなるのだ。これは散財には違いないが実に効果的。ちなみに画像をアップするというのは初めてで緊張した。今後もそんなにしないだろう。