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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2007年 07月 05日

JOURNAL

ロック青年レッスン。漸く僕に気を許してくれたのか、僕が気を許したと言う事なのか(その辺がどうもよく判らない)近頃その人はよく喋る。ハーモニカの細かい(うるさい)注意にもちゃんと言葉のレスポンスがあって、音と言葉のやりとりがスポーツに似てくる。J・Geilsの1stアルバムに関係した曲をやっているので、ついついそれを初めて聴いた二十歳の夏を思い出したりする。輸入盤(LP)を買い、文字通り引っくり返り、歌詞帯つきの日本盤が中古で売っていたという情報を得て、さらにバスに乗って衣笠までそれを買いに行った。友人が宿直をしていた中学校で、音楽練習室に忍び込み、小さなベースアンプにカラオケマイクを突っ込んで、初めてアンプリファイドハーモニカを吹いた。ハーモニカを始めて二年目、曲は、その1stアルバムに入っていたロイド・プライスのカヴァーだった。おお、おっさんくさい回想をしてしまった。恥だ。
 大変遅れ馳せながら、というか、読んだつもりで読んでいなかった「ねじまき鳥クロニクル」を1週間ほど前に読了。僕が読んだ村上春樹の中では一番エンターテインメントに近く、それだけに結局エンタメは書けない人なのだ、とより深く実感させる。神話、戦争、精神医学、といったお馴染みのキーワードがサブカルチャーとしてあまりに軽薄に持て囃された時代への回答をするに当たって、作者には手法としての「糖衣」が必要だった。それゆえの「物語性」なのだろうというのが最初の感想。絶対に映像化され得ない作品だが、もし、可能なら、この人物は誰に演じさせたいか、などと既に読んだ人と話したりしている。

by nogioh | 2007-07-05 00:27


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