朝はわりと早く目覚め、夜が更けると眠くなる。夜眠るなど、何十年も染みついた(おそらくは生来の)体のサイクルから最も逸した行為で不健康極まりない。よって体の調子が悪く、気分もすぐれない。にも関わらず、毎日明るいうちに動き回り、夜大人しく過ごす明け暮れを、良い事だと得心してそれに依存する心も確かに、ある。これはどう表現すればいいのか判らないが、まあ病気には違いあるまい。考えてみれば夜ひとりでに睡魔が寄せる感覚は入院生活にそっくりだ。夜照明を落とした店で飯を食った。ほっとして十ほども若返る気になる。明らかにマルコムXを観た影響で、J・Mバーダマン「黒人差別とアメリカ公民権運動」(集英社新書)を読んでいる。知ったつもりでろくに知らぬ事柄は無限にあるなあと思う。面白い、と言っていいかどうか、勢い込んで読める。訳文も素晴らしいのだろう。