最年少者(他に良い匿名法はないものか)レッスン。面白キャラ(怒りそうだが)なので、何歳の相手と話しているのか判らなくなる。ハーモニカは先に光が見えて来そうな進化ぶり。なかなか多岐にわたる種類の音楽を聴いているが、ブルースをルーツに別な音楽を作りあげる道程には、予想外の困難が無数にあるはずで、取り越し苦労でそんな話ばかりしてしまう。どれほど有能なロックミュージシャンですら、ブルースについて熱っぽく語るとほとんどが哀れな滑稽さを醸してしまうことを免れない。彼らは、そこでブルースに拒絶されているのだ。今様の腐った日本語で書くと拒否られている。これはわざわざ書かなくても良かった。ブルースは懐の深い素晴らしい音楽だが、時にはこちらの素性を嗅ぎ分け、執拗に暴いて、猛烈に拒絶する。いつだったかスタジオのバンドメンバー募集の貼り紙に「ブルースやソウルをルーツにしたオリジナルのロックをやります」とあるのを見て、僕はむかむかするような嫌な思いをした。僕はその日から一層偏屈になった。早い話、ブルースは別な何かのルーツにはならないのではないか、と思うのだ。