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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2007年 12月 03日

JOURNAL

「いつか読書する日」という国産映画を観た。存在すら知らなかったが、ある生徒氏から教えてもらった。寂しい話だが印象はさわやか。適度な凝り性と景色の撮り方が良いのかな。田中裕子のどこを見ているのか判らないような視線の演技はとても良いと思う。芥川賞候補の常連、でも地味でなかなかとれない作家が「新潮」の新年号に載せた短編をそのまんま映像化したようなイメージ。村上春樹「東京奇譚集」が文庫になったので読む。村上ばかり読んでいる、と思われても、アレですが、周期的なものですね。とりあえずあれば読む日本作家の一人だ。もくもくと湧き出て一時後を絶たなかった亜流の数を見ても、王道を新しく作ってしまった作家であることが判る。その村上の最新にしてまさに王道を行くような作品集。大江の「現代伝奇集」を彷彿とさせるタイトルは故意だろうか?(「万延元年のフットボール」に対する「1973年のピンボール」、の有名な例をとるまでもなく、フォークナーを共通項として村上は大江の影響下に出発した作家だ)雑誌で読んでいた気がする「日々移動する腎臓のかたちをした石」が良い。短編って何?に対する最良の回答例の一つ、でしょう。

by nogioh | 2007-12-03 11:00


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