悩める若者来たる。リズム、リズム、リズム。先日もあるピアニストとリズムのことで話が盛り上がり、ピアノなど弾けもしないのに(イーグルスのならず者にトライして挫折経験あり)左手がどうのこうの色々意見を言ってしまいあとでものすごく恥ずかしかったのだが、リズムはそれくらい難しく論じだすとネタの尽きないテーマだとも言える。一番大事なのは曲の聴き方で、それが未熟なうちはリズムとは何かすら判らないと思う。一つ一つの楽器を丹念に覚えこんでゆく時と、コピーするための聴きこみと、楽しんで聴くのはそれぞれ違う。感情移入して長いこと時間をかけて聴いていたらそんな区別など必要なくなってくるが、何らかの上達を目的としていて、結果を急ぐなら少なくともその三つの聴き方は不可欠なのではないでしょうか。若い時というのは、変に宗教的な曲への傾倒がある。大したことない曲なのにディランだから凄い、みたいな。そういう風に信じて興奮できるのは若い日の特権で、それが上述したような偏執的な聴き方も、軽々とやれてしまう原動力になったりもする。もう僕にそういうのはない。ディランもルー・リードもヴァン・モリスンも天才だが凡作は一杯ある。リトル・ウォルターの面白くないソロも結構ある。