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2012年 08月 05日 ( 1 )


2012年 08月 05日

JOURNAL

やらねばならぬことを先延ばしにする日々。実際に何、と考えるとそんなに切羽詰まった事情はないのだが、早く片付けてしまえと急かす声が心にいつもある。
土曜日、日曜日は何だか金を使った。二日とも仕事という仕事はなく楽しく過ごす時間の中でちょっとした買い物をしたということなので無駄遣いとも思わないが、財布は寂しくなったわけで、そんな時に「何か忘れてる、早くそっちを片付けろ」という声がする。

後から色々思い出す。また先日のざぶざぶの話。昼間別な所にいる間僕は、ショルダーバッグに入れたハーモニカとシールドとマイクを車の助手席に置いていた。リハまで気付かなかったのが何ともマヌケだが、どれもが見事に灼熱の火にあぶられてほかほかになっていた。あつっ、あつっと焼き芋でも食うような調子でリハをやった。楽器は無事だったが、あんなことを繰り返していたら、機材には良くないに違いない。

どうしても読みたくなって宮本輝の「こうもり」という短い話を読み返した。本棚の奥の方に潜んでいて相当苦労して探さねばならなかったが見つかって良かった。どうしても、とは文字通りどうしても、なので見つからなかったらブックオフとかまだ空いてる本屋まで買いに走ったと思う。それで入手出来なかったらおそらくは一睡もできなかったろう。僕の場合読書欲に関してはそういう事がままある。どうしても聴きたい曲、というのは不思議とあまりない。「こうもり」は暗い、心が落ち着かなくなる話だ。同時にその落ち着かなさはとても懐かしい。この作家はある時期から(僕の印象だが)変わってしまった。一つは短編を書かなくなった。まあそれはしょうがないが、長編を読んで、僕にはついていけないと感じるようになった。しかもその理由にあたる部分は、作者が最も伝えたいところなのだろうということも判って来た。それであまり読まなくなったのだが、初期の、特に短編(長編なら「道頓堀川」が一番良い。有名な「錦繍」は、上に書いたこの作家の変化の最初、転換点とも感じられる作品で首をひねってしまう個所もあるが、一方その危うさゆえの、とも言えそうな迫力もある)は深みがありドスも効いていて素晴らしい。「こうもり」から勢いを得て、この人の短いやつを片っ端から読み返す。時々オリンピックを観る。目が疲れてくると、老眼を自覚せざるを得なくなり、真夏の深夜、クーラーの冷気に乗って悲しみが部屋いっぱいに広がる。

by nogioh | 2012-08-05 23:50 | Comments(0)