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2019年 01月 20日

JOURNAL

SNSは演奏の宣伝しかしていないし、それで良い気がしている。もっと卑近で個人的なことはこちらに記したい。
テレビを見るともなく見ていたら、椎名桔平が吼えていた。ドラマの宣伝?それを目にして懐かしくてちょっと笑ってしまった。この俳優の転機になった映画「ヌードの夜」を思い出したからだ。バブルは崩壊していたが、一般的にはまだまだ楽観して浮かれ騒いでいた人が多かったであろう93年公開。僕は監督の石井隆の昔の劇画作品にその頃注目していたので、興味があってビデオで見たのだった。憂愁に満ち満ちた劇画をそのまま実写にしたような暗い映画だが、僕は好きだった。細部は忘れかけているが、ストーリーはバブル版・雨月物語のような感じだった記憶がある。狂気と紙一重の淵を彷徨うチンピラが椎名の役どころで、彼は全編吼えまくっていた。その声を久しぶりに聞いて、バブル崩壊直後の、世紀末に向けてひた走る街の雰囲気を思い出して懐かしかったというわけだ。懐かしがったり、笑ったりすることはもしかすると退行なのかも、と思えるほど、当時は暗い予感が後から後から湧き上がって抑えられないような日々を過ごしていた。個人的にも色々あったが、この「予感」はそういうことではなく、世界規模の精神瓦解の予感、「疾病としての共通言語の喪失」の予感、みたいなことだ。むにゃむにゃとそういうことを喋ると、当時割と分かってくれる人が周りにいて救われた気がしたことも覚えている。”何が起こっても変じゃない”と歌う曲が売れに売れたのは95年。歌っていたバンドは僕と世代も近いので、彼らもきっと僕と似たようなことを感じていたのだと思う。別にこのバンドのファンということもなかったが、「なっ」なんて勝手に打ち解けた気分になって聴いていた気がする。香山リカの「自転車旅行主義」と岡崎京子の「チワワちゃん」が94年、この二人も世代的に近い。読んでちょっと元気になり、「どうすれば良いんでしょうね、先輩」という気分になった、ような気がする。もうそれくらい遠い過去のことになった。


by nogioh | 2019-01-20 23:42 | Comments(0)