去年、ある喫茶店の周年記念に演奏する仕事をいただき松田ゆうき君と行った。ブルースを聴いたことがない人ばかりが集まるというので、色んな曲を入れて、午後の早い時間と夜と、2ステージやった。そこで「Love Has No Pride」を初めて人前で歌った。ボニー・レイットやリンダ・リンシュタットのバージョンが有名で、女性の歌という印象が強いが、こういう未練一杯の気持ちというのはつくづく男こそが抱きがちなものだなあ、とちょっと苦笑いしたいような気分になりながら歌っていた。作者のエリック・カズは男性だし、そもそもは女性の気持ちを念頭に作ったものではないのだろうと思う。クレイグ・フラーの歌うこの曲も瑞々しい味わいがある。エリックも創設メンバーであったバンド、アメリカン・フライヤーのファースト「American Fryer」に入っている。ウェストコースト・ロック・シーン期待のスーパーグループだったが、地味な活動で終わってしまった。プロデュースはジョージ・マーチン。良いんですよ、このアルバム。