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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2020年 05月 16日

JOURNAL

五つの赤い風船でベースを弾いておられたフォーク・シンガー長野たかしさんの新譜のレコーディングに参加した。録音場所である向日市のライブハウスまで車を走らせている時、3テイク程吹き込んだ演奏中、帰りの車中、ずっと明るい気持ちで過ごすことが出来た。自粛自粛で気が滅入る中久しぶりにいただいたお仕事、本当にありがたかった。エンジニアの横田さん、Second Roomsマスター、お世話になりました。長さん、あやこさん、ありがとうございました。

# by nogioh | 2020-05-16 23:45
2020年 02月 27日

JOURNAL

古井由吉さんが亡くなった。たった今訃報に触れて寂しく思っている。コメディアンで作家の某氏がこの作家を敬愛していて、メディアで名をよく挙げていた。宣伝効果は大きいのだろうが、果たして知名度はどの程度高まったのだろう。
だいたい読んだと思うが衝撃の大きさでは「夜明けの家」とエッセイの「魂の日」。あと講談社文芸文庫に入っている自選短編集「木犀の日」は古井氏の文学の真髄に触れるのに格好の一冊だと思う。僕にとってこの作家は前後期に分けると後期のものに特に打たれた。大江健三郎も、一般的には初期作品の人気が高いが、僕は「同時代ゲーム」以降の10年くらいの作品に衝撃を受けた。たぶん生涯消えないくらいの衝撃だ。小川国夫はどちらかと言えば初期。もちろん後期も素晴らしいが「若潮の頃」を図書館で借りて読んだショックは大きかった。
 音楽を聴いて自分の歴史のある瞬間を思い出すことはよくある。その時期に特によく聴いていた、ということだ。本でもそれはあって(数は少ないが映画でもそういう体験はある)、明確なある時期、限定的に耽溺していた書物と言うものがある。尾崎一雄や藤枝静男、上林暁など私小説の作家ばかり読んでいた時期もあるし、フランスの哲学書しか読めなくなっていた時期もあった(どこまで理解できていたかはまた別な話だ)。古井氏は書店で見かければ手に取ると言う感じで、長く作品を追って来た人で、和洋合わせてそういう作家が何人かいる。そのうちの何人かは故人で新作はもう出ない。享年82歳。年を重ねるごとに凄みが増して、誰も到達しえない場所に行った作家だった。


# by nogioh | 2020-02-27 14:08
2020年 01月 27日

JOURNAL

ハーモニカの話。スピード調節が出来るテクニックはいくつもあるが、隣り合った穴を交互に鳴らす通常のトリル以外は意外とコントロールが難しい。これは僕の話です。1音飛ばしてトリルする、リトル・ウォルターが必殺技的に繰り出すタングトリルのスピードアップはとても苦しい。そこそこのスピードだと思う時もあるが全然気持ち良くできない。口の中の筋肉の問題か、脳も関係しているのか。スロート・ヴィブラートの音のうねりのスピードは変えられない、と言い切る人もいるがそんなことはない。腹筋や気道の開け閉めなど色々使うが遅くも早くできる。ただ、放置すると年を経るにしたがって段々と遅くなっていくのは自然なことのようだ。単純に筋力の問題だからである。ポール・バタフィールドのスロート・ヴィブラートは奏法がパッカリングであることを差し引いても、スピードも深さも素晴らしい。晩年までそれが衰えなかったのは凄い、と思ったが、彼は40代で亡くなっているのだ。40代はまだ大丈夫な気がする。50を超えて、そういう事を気にするようになった。上に放置すると、と書いたが放置しなければ良いのである。腹筋と喉の筋トレが必要だ。

# by nogioh | 2020-01-27 23:36