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大野木一彦のJOURNAL・ブルースハープ・ライブ・レッスン情報

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2019年 02月 02日

JOURNAL

去年、ある喫茶店の周年記念に演奏する仕事をいただき松田ゆうき君と行った。ブルースを聴いたことがない人ばかりが集まるというので、色んな曲を入れて、午後の早い時間と夜と、2ステージやった。そこで「Love Has No Pride」を初めて人前で歌った。ボニー・レイットやリンダ・リンシュタットのバージョンが有名で、女性の歌という印象が強いが、こういう未練一杯の気持ちというのはつくづく男こそが抱きがちなものだなあ、とちょっと苦笑いしたいような気分になりながら歌っていた。作者のエリック・カズは男性だし、そもそもは女性の気持ちを念頭に作ったものではないのだろうと思う。クレイグ・フラーの歌うこの曲も瑞々しい味わいがある。エリックも創設メンバーであったバンド、アメリカン・フライヤーのファースト「American Fryer」に入っている。ウェストコースト・ロック・シーン期待のスーパーグループだったが、地味な活動で終わってしまった。プロデュースはジョージ・マーチン。良いんですよ、このアルバム。
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# by nogioh | 2019-02-02 23:56 | Comments(0)
2019年 01月 20日

JOURNAL

SNSは演奏の宣伝しかしていないし、それで良い気がしている。もっと卑近で個人的なことはこちらに記したい。
テレビを見るともなく見ていたら、椎名桔平が吼えていた。ドラマの宣伝?それを目にして懐かしくてちょっと笑ってしまった。この俳優の転機になった映画「ヌードの夜」を思い出したからだ。バブルは崩壊していたが、一般的にはまだまだ楽観して浮かれ騒いでいた人が多かったであろう93年公開。僕は監督の石井隆の昔の劇画作品にその頃注目していたので、興味があってビデオで見たのだった。憂愁に満ち満ちた劇画をそのまま実写にしたような暗い映画だが、僕は好きだった。細部は忘れかけているが、ストーリーはバブル版・雨月物語のような感じだった記憶がある。狂気と紙一重の淵を彷徨うチンピラが椎名の役どころで、彼は全編吼えまくっていた。その声を久しぶりに聞いて、バブル崩壊直後の、世紀末に向けてひた走る街の雰囲気を思い出して懐かしかったというわけだ。あの当時を懐かしくて笑う、などという日が来るなど想像もしなかった。あの頃の自分がやっぱり正しくて、今はそれを分からくなっているのではないか、つまり自分は退行しているのではないか、という感じすらするくらいだ。それくらい当時は深刻だった。暗い予感が後から後から湧き上がって抑えられないような日々を過ごしていた。個人的にも色々あったが、この「予感」はそういうことではなく、世界規模の精神瓦解の予感、「疾病としての共通言語の喪失」の予感、みたいなことだ。今日通じている言葉が、明日には全然違う意味になって、今日と同じ使い方は出来なくなる、とか…。むにゃむにゃとそういうことを喋ると、当時割と分かってくれる人が周りにいて救われた気がしたことも覚えている。”何が起こっても変じゃない”と歌う曲が売れに売れたのは95年。歌っていたバンドは僕と世代も近いので、彼らもきっと僕と似たようなことを感じていたのだと思う。別にこのバンドのファンということもなかったが、「なっ」なんて勝手に打ち解けた気分になって聴いていた気がする。香山リカの「自転車旅行主義」と岡崎京子の「チワワちゃん」が94年、この二人も世代的に近い。読んでちょっと元気になり、「どうすれば良いんでしょうね、先輩」という気分になっていた。当時の予感のある部分は当たっていたし、杞憂だった部分もある。何にせよ、僕らは生きていて、言葉の通じる人も周りにいる。それは良かったなと思っている。


# by nogioh | 2019-01-20 23:42 | Comments(0)
2018年 12月 21日

JOURNAL

ビッグ・ウォルター・ホートンはたくさん聴いて無数にコピーしたハーピストの一人だ。そう言うと何となく意外そうな顔をする人もいるが紛れもない事実だ。取り分け「An offer you cant refuse」は昔から、そして今も彼の最高傑作だと思っている。初めてアナログ盤で聴いた時の衝撃はずっと忘れられないだろう。音が悪いし半音キーがずれていてコピーしようにもハーモニカがなく慌てて買いに走った記憶がある。キーの合うハーモニカを入手しても結局若い僕の手に負えるプレイではなかった。演奏を始めて、最初の激しい無力感を味わったのはこのアルバムによってであった。遥かに時は経ち、阿佐ヶ谷のBハウスでS木保、T-ス〇ム両氏とこのアルバムを聴いて盛り上がったのはつい数年前のこと。この夜のこともずっと忘れないと思う。

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# by nogioh | 2018-12-21 23:52 | Comments(0)